02 #TRUE INTENTION
「…それとも、他人には【僕】の目的が不可解に思われたのかな」
「うーん、言い方はアレだけど、ミイヤが言っていた『自分の消滅回避の為』も考えられなくもなかったからね…。でも、実際にあのやり取りを見て、ボク達も約束をしてしまった以上、それはない、とは思ってたけど…」
背後からガチャリとドアが開いた音。
少しボロボロになったミコトが出てきた。
「そーそ、れーや君とひーちゃんの様子からして絶対にそれはない!って確信してたから!それに……」
ミコトは一度言葉を切り、【僕】を見つめる。その目はやけに、優しげな目をしていた。
「──大切な人を守る為に動くキミを、私は応援したいし、力を貸したいからね」
その声は酷く優しかった。ミコトは何処か遠くを見て、懐かしむような目をしている。
……彼女にも、過去に何かあったのだろうか。
「はい!しんみりした空気はおしまい!さてさて、どーしましょーかね!」
…そう言ってミイヤは思いっきり空気をブチ壊した。
思わずミイヤを睨んだ。
「…おおう、実際にその目を向けられると怖いわ。」
「いや今のはミイヤが全部悪い。というか、ミイヤ、れーや君にちゃんと謝ってよー」
「あーー…うん、まあ…謝るよ、そりゃ、うん……すみませんでした」
「いやそこは土下座にしようよミイヤ」
「えっ」
「ほらほら土下座!どーげーざー!」
ミコトが何度も土下座ー!と手を叩きながら煽る。…うん、【僕】から見てもこれは酷いと思う。
「……誠に申し訳ございません、でした」
(本当に土下座した……)
「観測者の好奇心でついついうっかり本音吐きだしてもらおうとあんな事をしました、申し訳ありません」
「それうっかりで済まされますかね?」
「うぐっ…」
今度はイツキの追い打ち。しかも彼はニコリと笑みをたたえている。言葉と表情が少しちぐはぐで違和感を覚えた。
「なんでもするからゆるして……」
「ん?今なんでもするって……?」
「言いましたよォ!!チクショウ!!!!」
「言いましたね。録音しましたよ、今の言葉」
「ヨッシャァ言質取ったぞミイヤァ!!!喜べ、れーや君!こいつ協力してくれるって!!!!」
スマホで今までの会話を録音しているイツキがミコトに対してサムズアップした。
討ち取ったり!!と言わんばかりにガッツポーズをしながらミコトが【僕】の手を掴んでガッと同じように腕を上げられた。
「え、あぁ……そうだね…?」
……一体何なんだろう、この空間は…。