02 #TRUE INTENTION
「【僕】にとっての…?」
【僕】にとってのプレイヤーとは、【僕】らヒーローと共にいて、戦ってくれる切っても切り離せない大事な存在であり、それでいて──
(大事な、愛しい人)
最初こそは、(【僕】が言えた立場ではないが)病弱そうで、すぐに消えてしまいそうな人と思っていた。
関わっていくうちに、無理矢理実験施設に入れられているという事実や思いの外甘えたがりで、何処か少し幼い所がある…など。彼女の様々な面を知っていった。
知っていくと同時に、情に絆される…というよりは惹かれて行った。
実験体のホムンクルス故に、いつか壊れてしまわぬように、守りたいと思うようにもなった。
……早い話、この行動理念はヒサメへの「恋心」のようなモノもある。
…これを言ったら馬鹿にされそうな気もするが、いい加減言った方が良さそうな気がしてきた。
「──ま。どーせありきたりな答えというか、所詮はいくらでも代わりが効くプレイヤーとヒーローだし、聞くだけ無駄か。」
「…代わりが効く、だって?」
感情がざわめき、思わずプラズマを纏う。一瞬だけ纏ったが同時に痛みが身体を走る。
「くっ……!」
「だーから言ったじゃん、能力使おうとすると、痛みを与えるってさ」
その言葉に嘘はなかった。
確かに全身に痛みを感じる。感じるが、まだ、動ける。
「誰が、代わりが効くだって?【僕】らも彼女も──代わりになる存在なんていないよ」
一歩、結界に近寄る。
何をする気?とミイヤが数歩後退る。
「【僕】は【僕】、【我々】は【我々】であるように、ヒサメもヒサメしかいない。」
手を合わせ、片手を結界に向け、ルーンを描く。
「あまり【僕】らを馬鹿にしないでくれる? ──目障りだよ、【君】」
ぱちん、と右手の指を鳴らす。同時にルーンが弾け、結界を叩き壊した。
あれ、思いの外呆気ないな…と思うと同時に、全身に激痛が走る。
「か……っは……」
息が、うまく出来ない。胸を押さえ、床に倒れこんだ。
短く何度も息を吸い込む。痛い、苦しい……
暫くして落ち着いてくると、ミイヤがしゃがんで【僕】を覗き込んでいた。
「ふむ、要は“恋心”で動いてたなー?君ィ」
「っ……だったら、なんだと、いうんだい」
また馬鹿にするような言い方をするのであれば、今度こそミイヤへ直接攻撃を仕掛けるつもりだ。
「──合格だよ、零夜クン」
「……は?」