02 #TRUE INTENTION
「それはさて置き、どうしてこんな事をしたのか話して貰おうかな?零夜クン」
ミイヤにそう問われる。
どうしてこんな事を、か。
「ミコトを人質に取って脅して、タイムマシンを使おうとしたことかい?」
あの時は少し感情がざわめくのを抑えられず、乱雑な方法を取ってしまったのだけども。
さて、なんと説明しようかと考えているとミイヤが首を横に振った。
「ううん、違うよ」
「何…?」
「君は何が目的で、動いているのってことだよ」
「目的、か。タイムマシンを使うこと、じゃダメかい?」
「ダメだね。それはあくまでも通過点、でしょ?どうして使うことに拘っているのか、その
…どうしてミイヤは理由を聞きたがるのだろう。
タイムマシンを使うこと。確かにこれは目的の為の一つの通過点に過ぎない。そこまでわかっているのなら、彼女はわかっていて聞いているように思えるのだけれど……。
「……あの子を、プレイヤーを助ける為。」
「それは、本心なの?」
「……どういうことだい?」
ミイヤの言い方に少しカチンと来た。少し睨むが、特に表情を変えない。
…それもそうだろう。今の【僕】は無力化されている状態だから。
「どうしてプレイヤーを助ける為にこんなに必死になっているのか。アタシからすれば、君達ヒーローの消失が嫌だから、奔走しているようにしか見えない」
ドンッ
思わず、結界に拳を叩きつける。
プラズマを込めたかったが、反動を考慮すると使うことを躊躇してしまう。
薄そうな見た目に反して意外と硬度があるようだ、と思いながらも、【僕】はミイヤを睨みつけた。
「おーおー、怖い怖い。なに?図星?」
「違う」
違う、そんな浅ましい感情でここまで来たんじゃない。
「どう違うの?だって、プレイヤーが死ねば、君達ヒーローは後々記録だけ残して抹消されるんでしょ?誰だって死にたくはないよね、例え君が“オリジナル”からコピーされた存在でもさ」
「何が言いたいんだ」
「だから言ってるじゃん?自分が死にたくないから、プレイヤーを助けたいって言っているんでしょ?プレイヤーの死=ヒーローの抹消。これは避けられない、だから」
「違うって、言っているだろう!」
もう一度強く結界を叩く。
ああもう、わざと感情を逆撫でするような言い方をするものだから、イライラする。