02 #TRUE INTENTION


 ◇

「ねえ、どうしてなんだい」

「どうして、【君】が死ななければいけないんだ」

 二度と目を覚ますことがない彼女を抱えながら、誰に問いかける訳でもない言葉を吐いた。

「……【僕】は」

 この世界線を、認めない。

 認めて、なるものか。


 ──失敗した世界線の記録

 
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