藤襲山の試験に合格した銚子は貰ったばかりの隊服を見て顔をひきつらせた。

丈の短い詰襟に短いスカート。
おまけに靴下の長さが左右で違う。
入れ違い？それとも何らかの嫌がらせなのだろうかと悶々としながら貰ったばかりの隊服を抱えて、縫製係の元を訪ねた。

「君の良さを最大限引き出す服装だからさ！試しに着てみてよ！」
と、眼鏡をかけた隠に熱弁され、更衣室に押し込まれた。
眼鏡の隠の異様な熱意に怖じ気づいた銚子は渋々奇抜な隊服に袖を通した。


短い、スースーする。


下着が見えてしまうのではと思えるほどスカートが短い。
丈の短い詰め襟には羽織でなんとかなるとしてもスカートだけはどうしようもない。
が、支給された物に文句をいうのも気が引けた。
スカートの端を摘まみながら、せめてズボンであったなら、と銚子は更衣室の鏡の前でため息をついた。

後日、蟲柱によって通常の隊服が支給され、奇抜な隊服は目の前で灰に変えられた。