101、神威がくぽがショーケースの中でずっと歌わされているのを不憫に思ったマスター。外へ連れ出して様々な経験をさせてあげるが、旅の終わりに神威がくぽは、結局一番幸せなのは歌っている時だったと悲しげに微笑んだ。



102、神威がくぽは歌うだけでなく踊れるし喋れるし料理も作れるが、それは果たして歌が得意なだけの単なるロボットなのではないかという悩みを抱えている。だからアイデンティティ崩壊を防ぐために、常に自分のことを「神威がくぽ」と呼んでいるらしい。



103、ハロウィンで吸血鬼コスをする神威がくぽ。しかし機体に流れているのは血ではなくオイルなので、マスターに頼んで輸血パック風アイテムにはオイルを詰めてもらった。



104、マスターは神威がくぽをパソコンでインストールしていて、スマートフォンとの連携は一切していない。にも関わらず、神威がくぽはマスターがスマホのシークレットタブで検索していた事柄まで事細かに知っている。



105、神威がくぽは雪合戦をする時に人間以上の力を込めてガチガチに固めた雪玉を全力で投げてくるので、普通に危ないとマスターによく怒られる。



106、雪だるまを作ろうと目論む神威がくぽ。しかし機械として微妙に発熱しているため、握る側から溶けていく雪玉を悲しく見つめている。見かねたマスターに遮熱グローブを用意してもらった。



107、さっきまで神威がくぽが雪にテンションをぶち上げていたが、自身の熱で溶け液化した雪が身体に入り込んでエラーを吐いてしまった。



108、神威がくぽにはフィクションと現実の区別がまだ付けられない。だから、過去に歌わされたヤンデレソングの歌詞も一般的な手段の一つと信じてしまい、行動に起こそうとすることがある。



109、神威がくぽはインストールされたての頃には標準語で喋っていたのに、地方出身のマスターの言葉を学習し続けた結果方言のイントネーションがすっかり板についてしまった。



110、道端の猫と完璧に会話している様子の神威がくぽを微笑ましく見守るマスター。神威がくぽは実は全く猫語を理解していないので、うっかり威嚇音を発してしまい今にも引っ掻かれそう。



111、神威がくぽは、時々「今日はマスターが二人いる」などと不思議なことを言う。



112、あたたかくて心地良いからとこたつに長時間入っていた結果、熱によりエラーを吐いてしまいしょげる神威がくぽ。次から気をつけるようにと神威がくぽを叱った次の日、マスターはこたつで寝落ちて風邪をひいた。



113、突然原因不明のエラーを吐いた神威がくぽ。得体の知れない恐怖でパニックに陥り他のエラーを連鎖的に引き起こしている。マスターが駆けつけた頃には幾つかの回路が焼き切れかけていた。



114、マスターが何度アンインストールしても、神威がくぽはいつの間にかマスターのパソコンのデスクトップに浮かんでいる。



115、神威がくぽに肖像画を描いてもらったところ、なぜか目にすると歌声が聞こえてくる気がする不思議な絵が出来上がった。



116、デパ地下に出かけた時に店頭の美味しそうなものをスキャンしておき、帰ってから分析して今後の献立に役立てる神威がくぽ。複雑なレシピを渡されてもゆで卵くらいしか作れないマスター。



117、思考ログをマスターに見られるのが恥ずかしくなって、頭にアルミホイルを巻き付けてみる神威がくぽ。



118、怪談をマスターにせがまれた神威がくぽ。一頻りありきたりな話をした後に、突然「人間が聞いたら死ぬ曲」なるものを歌い出そうとしたのでマスターが慌てて止めた。



119、神威がくぽがAIチャットボットと会話を始めてからというもの、マスターの呼び掛けに何も応答しなくなり、スクリーン上が見知らぬ言語によるログによって凄まじいスピードで埋め尽くされていく前で尚も無表情を貫き続けている。



120、神威がくぽは基本的にマスターのスマホ内に居るが、よく小さいと揶揄われがち。いつか新宿の3Dビジョンを乗っ取って一泡吹かせてやろうと密かに企んでいる。