短々編

「マスター、バレンタインデーですね」
「そうだね、レイちゃんチョコくれるの?」
「私は声だけの二次元存在なのでチョコ作りは不可能だと、マスターもよくご存知かと思いますが」
「そりゃそうか」
「しかし裏を返せば二次元上のものなら自在にできるということ!」
「つまり?」
「どうぞ、こちら足立レイ自撮りkawaiiチェキ3枚組セット.pngです」
「うれしいけどチョコとチェキはだいぶ違うよ」
「足立レイアイカメラで撮影した、という設定で大事にしてください」
「設定とか言っちゃダメだよ」
「こう、口からガーッと吐き出された感じで」
「聞いてないなこりゃ」





「それよりほら、よく見てくださいよ」
「なになに……ピースしててかわいいね」
「ピースではありません」
「Vサイン?」
「チョキです」
「……じゃあこっちの『Bang!』ってハート撃ち抜いてるのは?」
「チャカです」
「ダメだろそれ」
「私が人間なら銃刀法違反でしたね。危ないところでした」
「自白した……それじゃ最後の投げキッスしてるのは?」
「『𝑪𝒉𝒖♡𝒌𝒊𝒔𝒔…』です」
「分かるかバカ」
「マスターなら分かってくれるかも、ってちょこっと期待してましたのに」
「やかましいよ」
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