マジックアワー
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「ねぇー!千夏から聞いたんだけどぉ、仁王さぁ、A組の白城さんフったってマジ?」
クラスのうるさい女子が話しかけてくる。スカート短過ぎ、香水つけ過ぎ、声デカ過ぎ。狸寝入りを決め込もうにも、そんな大きな声では反応しない方が不自然というもの。はーて、どうしたもんか。
「あぁ…白城っていうんか、あの女子」
「名前も覚えてないとか!ひっどぉ」
酷いとかいう割に、楽しそうなのは何故なのか。
「白城さんウチの学校じゃ1番カワイイって有名じゃん!」
「ちょ~おモテるらしいよ!上級生からも告られまくりで…」
「なんでフっちゃったの? もったいない!」
「そりゃ、どういうヤツかよく知らんかったからのう。」
え~とか、嘘~とか、幾つもの声が重なって聞き取れないソプラノのコーラス。
「それに俺、今は部活に集中したいき。」
「え~、マジメ~」
「まあそーゆー所がいいんだよね仁王は。」
「テニス部に彼女居るヤツって居ないの?」
この手の女子と話すのは疲れる。本当にはこっちの話なんぞ聞いちゃいない。刺激的な一言を拾っては勝手に解釈して広げて、訂正するのも面倒くさくて。うんざりしながらこの場を離れる理由を考えていると、後ろから呑気な声が聞こえてきた。
「ねぇねぇ、UNOやろ~」
「は、何このUNO、メッチャちっちゃい!」
塩谷が持って来たのは手のひらにすっぽり収まってしまうようなミニュチュアのUNO。
「昨日ガチャガチャでやったんだ!いいでしょ、これなら持ち検回避できるし」
「かもめマジでそういうオモチャ好きだよね~」
「てか小さくても持ち検回避は無理じゃね?」
「うちの風紀委員鬼厳しいし」
「靴の裏とかに隠せばイケるっしょ?」
「いや、どこの大泥棒の手口なんじゃ。」
内心話が逸れたので安心した。ふっと息を吐くと、目があった塩谷がウィンクした。
気の変わりやすい女子と、その場にいた男子数人を巻き込んで、短くゲームをした。