文化祭
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「なに、結局その伊達メガネ掛けるの?」
「おん、今日はオタクくんの仁王じゃ。」
何だか今日は不意打ちが多い。少しでも表情を誤魔化したくてメガネを掛けた。
「メガネだけじゃ結局メガネ掛けた仁王だけどね。」
「そんで、何じゃった? プラネタリウム?」
「先にお化け屋敷行こ!ほら!」
指差す向こうのお化け屋敷は行列ができ始めていた。
「早めに並ばないと入れなくなっちゃう」
「やぁ、仁王。塩谷さん。」
最後尾の看板を持った幸村が出迎えた。
「あ、幸村くん。こんにちは。…幸村くんはおばけやらないの?」
「ふふっ…さっきまでやってたんだけどね…怖すぎるって言われちゃった。」
かもめと並んで唾を飲んだ。幸村が本気を出せば、そういうことにもなり得る。
「大丈夫、俺が居なくてもちゃんと怖いから、楽しんでもらえると思うよ。」
頑張って、と背中を押された。
中はちょっとどうかと思うほど暗い。渡された懐中電灯はそう言う演出か単なるミスか、明かりがチカチカと心許ない。普段は基本的に豪胆なかもめも、引き攣った顔で傍を離れない。
「なかなか雰囲気あるのぅ…」
「うん、結構怖いかも…ひゃっ」
「何じゃ」
「うなじに冷たい風が、ぴゅって…」
「手でも繋ぐか。」
「う…うん。こんなに暗いと、転んじゃいそうだし…あ…」
「…遂に電池切れか…。」
「これって演出なのかな。」
「電池の残量まで計算して演出出来たら大したもんじゃがの…」
手探りに前に進むと、生暖かいものが触れた。
「ぎゃああ!!!」
聞き慣れた熱苦しい悲鳴に若干ほっとする。
「…桑原くん。」
「なにつっかえとるんじゃ。」
「何だ…お前らか。いや、ここの謎解きを解かねえと先に進めねぇんだ。」
「えーと、何々…」
『心臓の 中にあるものを 壺に入れろ』
血文字のようにべったりと赤いペンキで書かれたクイズ。禍々しい壺と、ボール紙や紙粘土で作ったらしい目、耳、手、口、足…が、皿の上に並べられている。
「うわ~よく出来てる。」
「感心してる場合かよっ」
「ほーん、なるほど…分かったナリ。」
「え、嘘、早い。」