文化祭
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「あっ」
ダンボールを四角に切っている最中、かもめがふいに声を上げた。
「大丈夫か?手でも切ったか?」
慌てて手を取るとかもめは顔を真っ赤にしてふるふると首を振った。
「…お腹鳴っちゃった。」
「何じゃ、びっくりしたぜよ。」
ポケットからクッキーを取り出してやると、かもめは大袈裟に両手を合わせて拝むような仕草をしてクッキーを食べ始めた。
「普段そこまで運動っぽいことしないからさ、思いの外お腹すいて驚いちゃった。」
「頑張っとるのう、偉い偉い。」
「これ、角丸くした方がトランプっぽいかな?」
「あー…確かに。」
「仁王はさっきから何作ってるの?」
「見てわからんか? キノコじゃキノコ。」
「キノコ…」
「どっからどう見てもキノコじゃろ?」
「………………うん。」
「何じゃその沈黙は。」
「しかし間に合うのかしらね。」
「まあ何とかなるじゃろ。」
教室の中は散らかり放題。文化祭前丸出し。あっちこっちでガムテープは~とか、ここ押さえてて~なんていう声が聞こえる。俺らは隅っこの方に固まって、地味に地道に小道具作り。
「うわあっ 丸井君カワイイ!」
後ろの黄色い声に振り向くと、丸井がチェシャ猫に扮して猫耳を付けている。本人も満更嫌では無さそうで、カメラを前にいつものピースだ。
「…逃げた方がいいかの。」
「まぁ…回ってくるでしょうね。キミには。」
「匿って。」
「はいはい。」
まだ切っていない段ボールを箱に戻して、中に籠る。
「…あれ?仁王君は?」
「仁王はトイレに行ったよ。ウンコだからしばらく帰ってこないよ。」
「な~んだ…ウサギの耳試しに付けてもらおうと思ったのに。」
「仁王はあっちの方がいいんじゃない? 帽子屋の帽子。」
「あははっ そうかもね!」
気配が去ってから、段ボールに入ったままかもめに頭付きをした。
「誰がウンコじゃ。」
「やだ、この段ボール生きてるみたい。」
「…もう行ったか?」
「うん、多分、大丈夫。」
箱を開けると、目の前にかもめの顔があった。ちょうど開けてくれようとしていたらしい。数秒見つめあって、思わず目を逸らした。
ダンボールを四角に切っている最中、かもめがふいに声を上げた。
「大丈夫か?手でも切ったか?」
慌てて手を取るとかもめは顔を真っ赤にしてふるふると首を振った。
「…お腹鳴っちゃった。」
「何じゃ、びっくりしたぜよ。」
ポケットからクッキーを取り出してやると、かもめは大袈裟に両手を合わせて拝むような仕草をしてクッキーを食べ始めた。
「普段そこまで運動っぽいことしないからさ、思いの外お腹すいて驚いちゃった。」
「頑張っとるのう、偉い偉い。」
「これ、角丸くした方がトランプっぽいかな?」
「あー…確かに。」
「仁王はさっきから何作ってるの?」
「見てわからんか? キノコじゃキノコ。」
「キノコ…」
「どっからどう見てもキノコじゃろ?」
「………………うん。」
「何じゃその沈黙は。」
「しかし間に合うのかしらね。」
「まあ何とかなるじゃろ。」
教室の中は散らかり放題。文化祭前丸出し。あっちこっちでガムテープは~とか、ここ押さえてて~なんていう声が聞こえる。俺らは隅っこの方に固まって、地味に地道に小道具作り。
「うわあっ 丸井君カワイイ!」
後ろの黄色い声に振り向くと、丸井がチェシャ猫に扮して猫耳を付けている。本人も満更嫌では無さそうで、カメラを前にいつものピースだ。
「…逃げた方がいいかの。」
「まぁ…回ってくるでしょうね。キミには。」
「匿って。」
「はいはい。」
まだ切っていない段ボールを箱に戻して、中に籠る。
「…あれ?仁王君は?」
「仁王はトイレに行ったよ。ウンコだからしばらく帰ってこないよ。」
「な~んだ…ウサギの耳試しに付けてもらおうと思ったのに。」
「仁王はあっちの方がいいんじゃない? 帽子屋の帽子。」
「あははっ そうかもね!」
気配が去ってから、段ボールに入ったままかもめに頭付きをした。
「誰がウンコじゃ。」
「やだ、この段ボール生きてるみたい。」
「…もう行ったか?」
「うん、多分、大丈夫。」
箱を開けると、目の前にかもめの顔があった。ちょうど開けてくれようとしていたらしい。数秒見つめあって、思わず目を逸らした。