文化祭
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「ーーという訳で、クラスの出し物は喫茶店に決定しました!」
まばらな拍手の起こるHR。人気のあるお化け屋敷を違うクラスに取られてから、なんとなく皆冷めきってしまっている。
「あ!はいはい!どうせ喫茶店やるなら何かコンセプト付けたら?」
「ベタにメイド喫茶とか…」
「衣装どうするんだよ~」
「執事喫茶は? 男子は制服アレンジすればイケるよね。」
「執事喫茶はA組がやるんじゃなかった?」
やっと終わるかと思ったのに。まだしばらくかかりそうだ。
隣を見ると、さすがに練習で疲れたのか、かもめがうつらうつらと船を漕いでいる。沈みかかった太陽はとろりと黄色く、ほこりの粒がキラキラと光る。
「塩谷、なんかねぇの。」
「へ?」
前方の丸井が振り向いたのに驚いてビクッとするかもめに、思わず吹き出してしまう。
「寝てたのかよ。…喫茶店のコンセプト。」
「あ~…あ、アリス…?」
机の上を見渡して、目についたらしい読みかけの小説を眺めながらかもめは言った。
「アリス。いいじゃん!」
「なるほど、アリスのコンセプト喫茶ね。」
「面白そう!それいいんじゃない?」
クラスがにわかに盛り上がった。
「じゃ、3Bの模擬店は、アリス喫茶ってことで!」
「お手柄じゃのう。」
軽く頭を撫でると、かもめはくにゃっと笑って眠たそうにピースをした。