文化祭
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「塩谷、文化祭ステージ出るってマジ?」
「あぁ、うん。出る出る。みよっちと、エリナと~…」
「マジ?意外過ぎるんだけど。」
「コピーユニットのメンバーが足りなかったんだって。面白そうだったから入っちゃった。」
「なんじゃコピーユニットって。」
「コピーバンドのアイドル版?」
「ってことは踊んの?」
「そだよ~、家でユーチューブみながら練習してる。」
「…大丈夫かよ?」
「失敬な!運動音痴だけどダンスはそこそこ出来るんだよ!私!アイドルアニメ観てたし!」
「観てたからって踊れる根拠にはならんじゃろ」
3Bの休み時間。丸井がガムを膨らませながら訪ねると、いつもの能天気さでかもめは返事をした。
俺の気持ちを何となく察してる丸井はこちらをチラチラと気にして目障りだ。自分の心臓もやけにうるさい。
「あはは、2人も観に来てよね~。ちなみに私の担当カラーは黄色だよ。」
「何じゃ担当カラーって。」
「そのメンバーのイメージカラー的な? サイリウムとか黄色にすんの。」
「かもめ~!振り入れするよ~!」
教室の外から、その企みごとに引き入れたらしいみよっちだかエリナだかの声がする。
「は~い! …という訳で、またね~」
かもめはひらひらと手を振って出ていった。
教室の扉がぴしゃんと閉まったことを確認してから、丸井が頬杖をつきながらこちらを向いた。
「どーなんだよ、仁王的には。」
「正直素直に喜べんな。ていうか踊れるんか?あいつ。ソフトボール投げ3メートルの女じゃぞ。」
「ぶは、それマジ?」
「マジじゃ。」
「ん~…まぁでも本人楽しそうじゃん。」
「それはええんじゃ…」
楽しそうなのは一向に構わない、が。
ステージに上がってしまったら、アイツの可愛さにいよいよ世間が気付いてしまうんじゃないか?
「な、仁王。」
丸井がニヤニヤと覗き込んでくる。
「練習してるとこ、覗いてみようぜ。」
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