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「おう、柳生。」
「やぁ、仁王くん。部活ですか。」
「当たり前じゃ。」
「昨日も伝えましたが、私と真田くんは風紀委員の集まりがあります。先にトレーニングを始めておいて下さい。」
「おう。分かっとるよ。」
廊下でわざと、柳生に出会う。タイミングバッチリのアリバイ作り。そのまま部室に向かう道をゆっくり歩いて、角の死角で引き返す。
「んあ…仁王先輩!部活行かないんスか?」
「ちょっと忘れもんじゃ。先に始めときんしゃい。」
「そスか。ウィっす。」
「プリ。」
行きあたった角で後輩の赤也をやり過ごす。下校生徒は既に去り、部活動生はすでに持ち場についた静かな時間。普段は雑音に消える自分の足音が廊下にコツコツと響き渡る。人気のない教室に戻っていったら、静まり返った教室には、眉間に皺を寄せた彼女が居た。
「お、かもめ。まだ残っとったんか。」
「あれ、仁王くん。部活は?」
「今日風紀委員は集会があるからのう。」
「…サボりね?」
「や、まぁ、ちょっとくらいなら遅れても大丈夫って、そんな所じゃな。」
彼女の席の前の椅子を引いて背もたれを前に腰掛けた。
かもめは机に所狭しと資料を広げている。察するに彼女の所属する新聞部の仕事だろう。
「お前さんは忙しそうじゃな。」
「まぁね…まったく、何で学校の資料って電子化されてないのかしら。」
彼女はとんとんと肩を叩きながらため息をつく。
「学校資料だから持ち出しできないし、学校の機材で電子化するように提案したら全部私に押し付けようとするわで、まったくやってらんないったら。」
「肩凝っとるんか?」
「もーガチガチ。自分の手壁にくっつけて揉みたいくらい。」
かもめは片眉をあげて某海賊マンガの能力者のようにポーズを取る。クスリと笑うと彼女の眉間の皺が和らいだ。少し嬉しくなる。
「君は肩凝りとか無縁そうね。」
「ま、俺はおまんと違って運動しとるき。」
「それもそうか。やっぱり運動が足りてないのかな〜…」
「そんなら、のう、かもめ。俺が少し揉んでやろうか?」
***