2人の幸福論
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好きな女がいる。
同級生で呪術師で"幸せになる"ことが夢だとか言う変な女。最初にその夢を聞いた時は馬鹿みてぇだと呆れたのを覚えている。
けど日々共に過ごしていく内にそれがただの妄言じゃないんだということがよく分かった。真剣に自分がどうすれば幸せになれるかを考えて生きようとしていたから。そしてそれがどれだけ自分本位で他人からの理解が薄い考えだとも十分理解していた。
頼れるのは自分だけ。その考えは嫌いじゃないし同調出来る。周りにどうにかしてもらおうとか陳腐な理想論を語る奴よりずっとマシだ。それでもその道を進むにはアイツの背中はあまりにも小さく、すぐに押し潰されてしまいそうな危うさがあった。
だからだろうか、放っておけなかったのは。アイツがもし誰かに縋りたくなった時に1番に頭に浮かぶのが俺であればいいと。アイツが進もうとしているひとりよがりのちっぽけな幸せを壊して誰かと一緒に生きる幸せを。いや違うな。俺が、隣に居てアイツを幸せにしてやれたらって。
「お前が好きなんだけど」
そんな想いを胸に閉じ込めておくなんて器用なこと俺には出来なかったから勢いに任せて想いを告げた。
ずっと見てきた俺と違ってアイツからしたら俺はただの同級生の1人。十中八九、男として意識されてすら居ないんだろうから正直ダメ元だった。心臓は壊れるんじゃないかってくらい煩く鳴っているし、握りしめている手の汗も凄い。それを悟られないように出来るだけ落ち着いて言葉を紡ぎ出す。お前の天邪鬼な性格も含めて全部に惹かれて、惚れてるんだと。
逸らしたくなるのを必死に耐えながらアイツの目を真っ直ぐ見つめる。その目に俺の姿が映っているのが見えてそれがまた落ち着かない。駄目なら駄目でさっさと答えろよ。だからって諦めてやんねぇけど。
「いいよ、不幸になってあげる」
少しだけ笑いながら返ってきた返事に一瞬面食らう。それでもその内容を理解し顔を顰めた。なんだそれ。失礼な奴。俺はお前を幸せにしたくて告白してんだぞ!?
「ぜってー幸せだって言わせてやるからな!」
腹が立って捨て台詞のように言った言葉なのにアイツはケラケラと楽しそうに笑った。初めて見た反応だ。余裕そうでそれがまた余計に腹立つ。
そうして俺達は恋人同士になった。
同級生で呪術師で"幸せになる"ことが夢だとか言う変な女。最初にその夢を聞いた時は馬鹿みてぇだと呆れたのを覚えている。
けど日々共に過ごしていく内にそれがただの妄言じゃないんだということがよく分かった。真剣に自分がどうすれば幸せになれるかを考えて生きようとしていたから。そしてそれがどれだけ自分本位で他人からの理解が薄い考えだとも十分理解していた。
頼れるのは自分だけ。その考えは嫌いじゃないし同調出来る。周りにどうにかしてもらおうとか陳腐な理想論を語る奴よりずっとマシだ。それでもその道を進むにはアイツの背中はあまりにも小さく、すぐに押し潰されてしまいそうな危うさがあった。
だからだろうか、放っておけなかったのは。アイツがもし誰かに縋りたくなった時に1番に頭に浮かぶのが俺であればいいと。アイツが進もうとしているひとりよがりのちっぽけな幸せを壊して誰かと一緒に生きる幸せを。いや違うな。俺が、隣に居てアイツを幸せにしてやれたらって。
「お前が好きなんだけど」
そんな想いを胸に閉じ込めておくなんて器用なこと俺には出来なかったから勢いに任せて想いを告げた。
ずっと見てきた俺と違ってアイツからしたら俺はただの同級生の1人。十中八九、男として意識されてすら居ないんだろうから正直ダメ元だった。心臓は壊れるんじゃないかってくらい煩く鳴っているし、握りしめている手の汗も凄い。それを悟られないように出来るだけ落ち着いて言葉を紡ぎ出す。お前の天邪鬼な性格も含めて全部に惹かれて、惚れてるんだと。
逸らしたくなるのを必死に耐えながらアイツの目を真っ直ぐ見つめる。その目に俺の姿が映っているのが見えてそれがまた落ち着かない。駄目なら駄目でさっさと答えろよ。だからって諦めてやんねぇけど。
「いいよ、不幸になってあげる」
少しだけ笑いながら返ってきた返事に一瞬面食らう。それでもその内容を理解し顔を顰めた。なんだそれ。失礼な奴。俺はお前を幸せにしたくて告白してんだぞ!?
「ぜってー幸せだって言わせてやるからな!」
腹が立って捨て台詞のように言った言葉なのにアイツはケラケラと楽しそうに笑った。初めて見た反応だ。余裕そうでそれがまた余計に腹立つ。
そうして俺達は恋人同士になった。