2人の幸福論
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"将来の夢"
多分誰しも1度は学校とかで考えさせられたんじゃないだろうか。幼稚園の頃なんかだと"お嫁さん"とか"正義のヒーロー"とかそんな幼稚な物で、小学生、中学生と成長するにつれて自分のやりたいことを見つけ段々と明確になっていく。
でも私が描いた将来の夢はいつも"幸せになりたい"だった。
特段やりたいことが無かったというのも理由のひとつだろうけれど、結局はどんな職業に就いても自分が幸せだと感じられなかったらそれは意味が無いんじゃないかと思ったのが大きいのかもしれない。
だけどそんな夢を語ると担任の先生にはいつも家庭で何かあるんじゃないか、悩みでもあるのかと詮索され、他の大人達にも何を馬鹿げたことを言ってるのかと呆れられた。
それでも何年経とうと私の答えは変わらなかった。
幸せがどんなモノなのか、何を持って幸せと言えるのか。そんなことは成長した今となっても分かってはいないけれど、いつだって自分が幸せになれる道を選びたかった。例えそれがどれだけ自分本位でも、自分が幸せじゃないのに他人に救いの手を差し伸べるなんて大層なこと私には出来ない。
呪術師になったのだってあくまで自分のため。呪霊と戦う術を学んでおけば今後生きていく上で有用だろうと思ったに過ぎない。誰かを守るとか生き甲斐とかそんな想いは生まれなかった。
そんな私を好きになるような人間なんて現れないと思っていた。だから女としての幸せは諦めていたのに、
「お前が好きなんだけど」
頬を掻きながらそう言って来たのは同級生の1人である五条悟。何度か任務を共にしたり教室で話したりはしていたけれど特別親しいとは思っていなかった。なのにどうして告白なんてしてきたのか全く理解が追い付かない。
「何かの罰ゲーム?」
「違ぇよ。本気で言ってんの」
「私の性格、分かってるでしょ?」
御三家の跡継ぎで実力の高い呪術師である悟の恋人。自分本位に己の幸せだけを求める私には荷が重い。それに私は高専を出たら呪術師を辞めるつもりでいるのに。
「そーいうの含めて惚れてんだよ」
「物好きにも程があるでしょ。趣味悪すぎ」
「ほっとけ。で、返事は?」
悟は何処か落ち着かない様子で返事を急かす。緊張している?あの悟が?
それでも少しズレたグラサンから覗く青い瞳は真っ直ぐ私に向いている。ドクン、と心臓が高鳴った。
「いいよ。不幸になってあげる」
気付けばそう口に出していた。それを聞いた悟はというとやはりと言うべきか不満な顔をしていた。
「はぁ!?不幸!?なんでそーなんだよ!」
「だって、悟の恋人になって幸せになれる未来が思い浮かばないし」
「ふざっけんな!なれるに決まってんだろ!お前1人くらい俺が簡単に幸せにしてやるよ!」
「はいはい、期待しないでおく」
「てっめぇ!ぜってー幸せだって言わせてやるからな!」
そうして私達は恋人同士になった。
多分誰しも1度は学校とかで考えさせられたんじゃないだろうか。幼稚園の頃なんかだと"お嫁さん"とか"正義のヒーロー"とかそんな幼稚な物で、小学生、中学生と成長するにつれて自分のやりたいことを見つけ段々と明確になっていく。
でも私が描いた将来の夢はいつも"幸せになりたい"だった。
特段やりたいことが無かったというのも理由のひとつだろうけれど、結局はどんな職業に就いても自分が幸せだと感じられなかったらそれは意味が無いんじゃないかと思ったのが大きいのかもしれない。
だけどそんな夢を語ると担任の先生にはいつも家庭で何かあるんじゃないか、悩みでもあるのかと詮索され、他の大人達にも何を馬鹿げたことを言ってるのかと呆れられた。
それでも何年経とうと私の答えは変わらなかった。
幸せがどんなモノなのか、何を持って幸せと言えるのか。そんなことは成長した今となっても分かってはいないけれど、いつだって自分が幸せになれる道を選びたかった。例えそれがどれだけ自分本位でも、自分が幸せじゃないのに他人に救いの手を差し伸べるなんて大層なこと私には出来ない。
呪術師になったのだってあくまで自分のため。呪霊と戦う術を学んでおけば今後生きていく上で有用だろうと思ったに過ぎない。誰かを守るとか生き甲斐とかそんな想いは生まれなかった。
そんな私を好きになるような人間なんて現れないと思っていた。だから女としての幸せは諦めていたのに、
「お前が好きなんだけど」
頬を掻きながらそう言って来たのは同級生の1人である五条悟。何度か任務を共にしたり教室で話したりはしていたけれど特別親しいとは思っていなかった。なのにどうして告白なんてしてきたのか全く理解が追い付かない。
「何かの罰ゲーム?」
「違ぇよ。本気で言ってんの」
「私の性格、分かってるでしょ?」
御三家の跡継ぎで実力の高い呪術師である悟の恋人。自分本位に己の幸せだけを求める私には荷が重い。それに私は高専を出たら呪術師を辞めるつもりでいるのに。
「そーいうの含めて惚れてんだよ」
「物好きにも程があるでしょ。趣味悪すぎ」
「ほっとけ。で、返事は?」
悟は何処か落ち着かない様子で返事を急かす。緊張している?あの悟が?
それでも少しズレたグラサンから覗く青い瞳は真っ直ぐ私に向いている。ドクン、と心臓が高鳴った。
「いいよ。不幸になってあげる」
気付けばそう口に出していた。それを聞いた悟はというとやはりと言うべきか不満な顔をしていた。
「はぁ!?不幸!?なんでそーなんだよ!」
「だって、悟の恋人になって幸せになれる未来が思い浮かばないし」
「ふざっけんな!なれるに決まってんだろ!お前1人くらい俺が簡単に幸せにしてやるよ!」
「はいはい、期待しないでおく」
「てっめぇ!ぜってー幸せだって言わせてやるからな!」
そうして私達は恋人同士になった。
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