ハッピーエンドに手つなぎゴール
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"トキワはみどり えいえんのいろ"
"えいえんなるみどりのまち"
そう看板に表記されるくらい自然豊かなこのトキワシティが私が生まれ育った町だ。ポケモントレーナーとして全国を旅していた父は世界にはカントー地方の他にもたくさんの地方があってその数だけ色々な文化のもと暮らす人々やポケモンもいてそれを知れるのが楽しいのだと語っていた。それを聞いていた私がポケモントレーナーに、旅をすることに憧れるのは至極当然の流れだろう。
でも元々内向的な性格であった私が見知らぬ土地に1人で旅に出るにはどうしても勇気が足りなくて初めの1歩が踏み出せなかった。そんな自分が情けなくて悔しくてワンワン泣いて両親を困らせたのをよく覚えている。
そんな私の今の仕事はトキワシティにあるポケモンセンターの受付。私自身がなれなくてもどうしてもポケモントレーナーに関わるような仕事がしたくて今のこの職場を選んだ。でも今となってはこの仕事を選んで良かったと思っている。
ポケモントレーナーは皆個性豊かな人ばかり。トキワの森が近くにあるせいか虫取り網を持った男の子が多いけれど、他にも小さい子供やお嬢様、あと海パン姿で駆け込んでくるトレーナーもいたりして毎日飽きることはない。みんな一様にポケモンを大切に思っているのが見て取れるし、傷付いたポケモンを連れて駆け込んでくる時は暗い顔をしているトレーナーが回復した後には安心した笑顔で「ありがとう」と言ってくれるとやり甲斐を感じられる。
今日もまたいつもの様にポケモンセンターの受付に立っていると、初めて見るトレーナーが現れた。
赤い帽子を被った黒髪のその男の人は赤と白を基調とした服装をしていて、少し俯いた姿勢のまま私の方へと向かって歩いて来ている。色々なトレーナーを見てきたからか何となく、そのトレーナーは最近旅を始めたような新人じゃないんだろうなぁと思った。凄いなぁ、私と変わらないくらいの年齢に見えるのに。
あ、いけないいけない!仕事はちゃんとしないと!
「ようこそ!ポケモンセンターへ。ここではポケモンの体力回復をします。貴方のポケモンを休ませてあげますか?」
気付けばすぐ目の前まで来ていたそのトレーナーにいつもの台詞を言った時、帽子で隠れて見えなかった彼の瞳が私へと向いて一瞬息を飲んだ。
なんて綺麗な瞳だろう。燃える炎や輝く宝石のような赤い瞳に一瞬で魅せられた。彼は黙ったまま腰のベルトに手を伸ばして私の前にモンスターボールをそっと置いた。回復して欲しいということなんだろう。
「それではお預かり致します!」
ドギマギとまだ落ち着かない心のまま、回復マシンに彼のポケモンが入っているモンスターボールをセットしていく。モンスターボールに入っているポケモン達はそんな私を不思議そうな顔で見上げていたけれど、マシンが起動し回復が始まると気持ち良さそうに目を閉じた。
ポケモン達の回復が終わるのを待つ間、チラリと彼の顔を横目に見てみると、彼の視線はマシンの上のポケモン達に向けられていて、先程は何処か冷たい印象にも取れた赤い瞳は慈しむような優しい色を帯びている。本当にこの子達を大切に思っているんだろうなぁ。
そんなことを考えているとマシンがアラーム音を鳴らし、ポケモン達の回復を終えたことを知らせる。手を伸ばしモンスターボールを取り出し彼の前へ並べてお決まりの台詞を言う為に口を開く。
「おまちどおさま!お預かりしたポケモンはみんな元気になりました!」
ポケモン達が揃ったのを確認した彼はまた無言でモンスターボールを腰のベルトにセットしていく。私の仕事はこれでお終い。
「またいつでもご利用くださいませ!お、お気をつけて!」
マニュアルとは違う台詞がつい口から出た。だからなのか彼は少し驚いたように私を見たけれど、ペコりと軽く頭を下げた。振り返りポケモンセンターの出口へと向かう背中を見送る。
また来てくれるだろうか。旅をしているのだろうから次に来るとしてもそれがいつになるかは分からない。それでも再会を願わずにはいられなかった。
"えいえんなるみどりのまち"
そう看板に表記されるくらい自然豊かなこのトキワシティが私が生まれ育った町だ。ポケモントレーナーとして全国を旅していた父は世界にはカントー地方の他にもたくさんの地方があってその数だけ色々な文化のもと暮らす人々やポケモンもいてそれを知れるのが楽しいのだと語っていた。それを聞いていた私がポケモントレーナーに、旅をすることに憧れるのは至極当然の流れだろう。
でも元々内向的な性格であった私が見知らぬ土地に1人で旅に出るにはどうしても勇気が足りなくて初めの1歩が踏み出せなかった。そんな自分が情けなくて悔しくてワンワン泣いて両親を困らせたのをよく覚えている。
そんな私の今の仕事はトキワシティにあるポケモンセンターの受付。私自身がなれなくてもどうしてもポケモントレーナーに関わるような仕事がしたくて今のこの職場を選んだ。でも今となってはこの仕事を選んで良かったと思っている。
ポケモントレーナーは皆個性豊かな人ばかり。トキワの森が近くにあるせいか虫取り網を持った男の子が多いけれど、他にも小さい子供やお嬢様、あと海パン姿で駆け込んでくるトレーナーもいたりして毎日飽きることはない。みんな一様にポケモンを大切に思っているのが見て取れるし、傷付いたポケモンを連れて駆け込んでくる時は暗い顔をしているトレーナーが回復した後には安心した笑顔で「ありがとう」と言ってくれるとやり甲斐を感じられる。
今日もまたいつもの様にポケモンセンターの受付に立っていると、初めて見るトレーナーが現れた。
赤い帽子を被った黒髪のその男の人は赤と白を基調とした服装をしていて、少し俯いた姿勢のまま私の方へと向かって歩いて来ている。色々なトレーナーを見てきたからか何となく、そのトレーナーは最近旅を始めたような新人じゃないんだろうなぁと思った。凄いなぁ、私と変わらないくらいの年齢に見えるのに。
あ、いけないいけない!仕事はちゃんとしないと!
「ようこそ!ポケモンセンターへ。ここではポケモンの体力回復をします。貴方のポケモンを休ませてあげますか?」
気付けばすぐ目の前まで来ていたそのトレーナーにいつもの台詞を言った時、帽子で隠れて見えなかった彼の瞳が私へと向いて一瞬息を飲んだ。
なんて綺麗な瞳だろう。燃える炎や輝く宝石のような赤い瞳に一瞬で魅せられた。彼は黙ったまま腰のベルトに手を伸ばして私の前にモンスターボールをそっと置いた。回復して欲しいということなんだろう。
「それではお預かり致します!」
ドギマギとまだ落ち着かない心のまま、回復マシンに彼のポケモンが入っているモンスターボールをセットしていく。モンスターボールに入っているポケモン達はそんな私を不思議そうな顔で見上げていたけれど、マシンが起動し回復が始まると気持ち良さそうに目を閉じた。
ポケモン達の回復が終わるのを待つ間、チラリと彼の顔を横目に見てみると、彼の視線はマシンの上のポケモン達に向けられていて、先程は何処か冷たい印象にも取れた赤い瞳は慈しむような優しい色を帯びている。本当にこの子達を大切に思っているんだろうなぁ。
そんなことを考えているとマシンがアラーム音を鳴らし、ポケモン達の回復を終えたことを知らせる。手を伸ばしモンスターボールを取り出し彼の前へ並べてお決まりの台詞を言う為に口を開く。
「おまちどおさま!お預かりしたポケモンはみんな元気になりました!」
ポケモン達が揃ったのを確認した彼はまた無言でモンスターボールを腰のベルトにセットしていく。私の仕事はこれでお終い。
「またいつでもご利用くださいませ!お、お気をつけて!」
マニュアルとは違う台詞がつい口から出た。だからなのか彼は少し驚いたように私を見たけれど、ペコりと軽く頭を下げた。振り返りポケモンセンターの出口へと向かう背中を見送る。
また来てくれるだろうか。旅をしているのだろうから次に来るとしてもそれがいつになるかは分からない。それでも再会を願わずにはいられなかった。