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揃いも揃って愛を夢見る

お節介な女だと思った。
他の奴等が俺を煙たがって近づこうともしない中、アイツだけは何も気にせずに接してきた。
「余計な世話はいらねぇ」なんて意地を張ってアイツの手を払い除けたこともあったが、それでもアイツは全く懲りることはなかった。
そのあまりのしつこさに最後には俺の方が根負けしたのをよく覚えている。
いつからだろうか。
俺を「可愛い」と言って頭を撫でるアイツに、恋慕のような感情を抱いたのは。
後輩なんて立場でいたくなかった。
もっと近くにいきたかった。
その為にどれだけ手柄を立てようと、強くなろうと、アイツの中の俺の立場は変わらなかった。
だから今も、足を怪我した癖に俺には一切頼ろうとはしないんだろう。
・・・ふざけんな。
そんなに俺は頼りねぇと思われてるかよ。
何が先に行けだ。
なんの為に俺が傍にいるんだよ!
感情に任せて思わず抱きあげれば、離せと騒いだが、無理矢理言い伏せる。
ずっと見上げていたアイツの体は想像以上に小さく軽くて、それが余計に女なんだと実感させられた。
「かっこよくなったわね」そうはにかんで笑った顔に照れくさくてぶっきらぼうに返してしまう。
「全部アンタの為だよ、責任とりやがれ」
なんて言ったらアンタは一体どんな顔を見せてくれるんだろうか・・・?
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