＊任務帰りの2人。

「・・・っ」
「おい、大丈夫か？」
「えぇ、なんでもないわ。大丈夫よ。」
「何がなんでもねぇだよ。足痛めたんだろ？」
「・・・どうして分かったの」
「俺が何年アンタのこと見てきたと思ってんだ。ほら、見せてみろ」
「大した怪我じゃないわ。少し捻っただけよ」
「これのどこが大したことねぇんだよ。すげぇ腫れてんじゃねえか」
「大丈夫、歩けるわ。でも遅いし足手まといになるから中也は先に進んで」
「・・・ふざけんな」
「え？・・・キャッ！？」
「俺がアンタを置いて行ける訳ねぇだろうが」
「ちゅ、中也！降ろして！」
「嫌だね」
「駄目！私重いし、貴方の負担になるわ！」
「俺を舐めんのも大概にしろよ。確かに身長はアンタに負けてるがな、女一人抱えられねぇ程俺はヤワじゃねぇんだよ」
「でもっ」
「いいから黙って俺に甘えとけよ。アンタはいつも1人で頑張りすぎだ」
「中也・・・。その、ありがとう」
「どういたしまして。・・・俺はアンタの可愛い後輩、だからな」
「・・・もう可愛くないわ」
「なんだよ。アンタが昔言ったんだろ？可愛い可愛いって俺の頭撫でながら。心変わりでもしたのかよ」
「・・・あながちそうかもね」
「はぁ！？」
「あの頃よりもずっと、かっこよくなったわね、中也」
「・・・！ったく。気付くのが遅いんだよ」