揃いも揃って愛を夢見る
*花火大会デート
「先輩!こっちです!」
「ごめんなさい、待たせてしまったわね」
「とんでもない。先輩を待つ時間すら私にとっては幸せです」
「大袈裟ね。・・・浴衣似合ってるわね、太宰。素敵よ」
「ありがとうございます。でもね、先輩。そういう台詞は男の私から言うものでしょう」
「あら、ごめんなさい。浴衣、久しぶりに着たのだけれど、大丈夫かしら?」
「えぇ。・・・とても綺麗です。祭りの灯りすら霞んでしまうほどにね」
「本当にお世辞が上手いわね、太宰は。一体何人の女の子に言ってきたのかしら」
「心外だなぁ。先輩にお世辞なんて言うわけないじゃあありませんか」
「そう。ありがとう、素直に受け取っておくわ」
「そうしてください。では先輩、手を」
「手?」
「繋いでおきましょう。人が多いので、はぐれないようにしないと」
「あら幼子扱い?私は貴方より歳上なのだけど?」
「・・・先輩」
「ふふ、冗談よ。はぐれないように、ちゃんと繋いでてね」
「もちろんです。あ、花火が綺麗に見える場所を事前に調べておいたので楽しみにしていてくださいね」
「さすが太宰ね。楽しみだわ」
*****
「いい場所ね。人が少ないし穴場なのかしら」
「そうみたいですよ?・・・ここなら誰にも邪魔されないだろうからね」
「なにか言った?」
「いいえ。あ、ほら先輩!花火始まりましたよ」
「えぇ。・・・やっぱり綺麗ね、花火は」
「花火より先輩の方がずっと綺麗ですけどね!」
「月並みな台詞で面白くないわ」
「う・・・厳しいなぁ、先輩は」
「ふふ、私はそんなに軽い女じゃないのよ」
「えぇ、よく知ってます。・・・痛い程」
「...?あ、今の青い花火好きよ」
「あぁ、鮮やかな色してましたね」
「今のはハートかしら。模様があるのも可愛いわね」
「・・・えぇ、そうですね」
「来てよかったわ。こんなに綺麗なんだもの。休暇をくれた首領に感謝しないとね」
「そうですね。・・・やっぱり嫌だな」
「・・・太宰?もしかして花火は嫌いだった?」
「いえ、花火は嫌いではないですよ」
「ならどうしたの?随分浮かない顔をしているけれど」
「・・・先輩のせいです」
「私?」
「先輩が、花火ばっかり見てるから」
「変なことを言うのね。今日は花火を見に来たんじゃない」
「例え花火にだって、貴方の視線を渡したくないんです。貴方の瞳に映るのは私だけにして欲しい」
「・・・それって」
「好きなんです、先輩。私を、貴方の1番に選んでくれませんか・・・?」
「・・・太宰は」
「先輩?」
「太宰は、私の前ではいつもの格好付けた姿が型なしね。年相応のただの男の子に見えるわ」
「先輩のことに関してはいくら私でも余裕なんてありませんよ。先輩、そんなことよりも」
「そういう所は可愛いわよねぇ。いつもそれくらい素直ならいいのに」
「っ!先輩、返事をください」
「なぁに?花火の音で聞こえなかったわ」
「・・・またそうやってはぐらかすんですね」
「ふふ、なんのことかしら?」
「・・・先輩のそういう所、ズルくて好きじゃない」
「それは残念ね。私は太宰のかっこ悪い所も全部引っ括めて好きなのに」
「それはどうも。・・・え?」
「話してる内に花火も終わったみたいね。帰りましょうか」
「待って、先輩!今なんて・・・?」
「あら、2度も言わせるつもりかしら?」
「お願い、ちゃんと聞かせて」
「・・・愛してるわ、太宰。もうずっと前から私の心は貴方だけのモノよ」
「・・・ほんと、ズルいなぁ、先輩は。私も、貴方を愛しています」
「先輩!こっちです!」
「ごめんなさい、待たせてしまったわね」
「とんでもない。先輩を待つ時間すら私にとっては幸せです」
「大袈裟ね。・・・浴衣似合ってるわね、太宰。素敵よ」
「ありがとうございます。でもね、先輩。そういう台詞は男の私から言うものでしょう」
「あら、ごめんなさい。浴衣、久しぶりに着たのだけれど、大丈夫かしら?」
「えぇ。・・・とても綺麗です。祭りの灯りすら霞んでしまうほどにね」
「本当にお世辞が上手いわね、太宰は。一体何人の女の子に言ってきたのかしら」
「心外だなぁ。先輩にお世辞なんて言うわけないじゃあありませんか」
「そう。ありがとう、素直に受け取っておくわ」
「そうしてください。では先輩、手を」
「手?」
「繋いでおきましょう。人が多いので、はぐれないようにしないと」
「あら幼子扱い?私は貴方より歳上なのだけど?」
「・・・先輩」
「ふふ、冗談よ。はぐれないように、ちゃんと繋いでてね」
「もちろんです。あ、花火が綺麗に見える場所を事前に調べておいたので楽しみにしていてくださいね」
「さすが太宰ね。楽しみだわ」
*****
「いい場所ね。人が少ないし穴場なのかしら」
「そうみたいですよ?・・・ここなら誰にも邪魔されないだろうからね」
「なにか言った?」
「いいえ。あ、ほら先輩!花火始まりましたよ」
「えぇ。・・・やっぱり綺麗ね、花火は」
「花火より先輩の方がずっと綺麗ですけどね!」
「月並みな台詞で面白くないわ」
「う・・・厳しいなぁ、先輩は」
「ふふ、私はそんなに軽い女じゃないのよ」
「えぇ、よく知ってます。・・・痛い程」
「...?あ、今の青い花火好きよ」
「あぁ、鮮やかな色してましたね」
「今のはハートかしら。模様があるのも可愛いわね」
「・・・えぇ、そうですね」
「来てよかったわ。こんなに綺麗なんだもの。休暇をくれた首領に感謝しないとね」
「そうですね。・・・やっぱり嫌だな」
「・・・太宰?もしかして花火は嫌いだった?」
「いえ、花火は嫌いではないですよ」
「ならどうしたの?随分浮かない顔をしているけれど」
「・・・先輩のせいです」
「私?」
「先輩が、花火ばっかり見てるから」
「変なことを言うのね。今日は花火を見に来たんじゃない」
「例え花火にだって、貴方の視線を渡したくないんです。貴方の瞳に映るのは私だけにして欲しい」
「・・・それって」
「好きなんです、先輩。私を、貴方の1番に選んでくれませんか・・・?」
「・・・太宰は」
「先輩?」
「太宰は、私の前ではいつもの格好付けた姿が型なしね。年相応のただの男の子に見えるわ」
「先輩のことに関してはいくら私でも余裕なんてありませんよ。先輩、そんなことよりも」
「そういう所は可愛いわよねぇ。いつもそれくらい素直ならいいのに」
「っ!先輩、返事をください」
「なぁに?花火の音で聞こえなかったわ」
「・・・またそうやってはぐらかすんですね」
「ふふ、なんのことかしら?」
「・・・先輩のそういう所、ズルくて好きじゃない」
「それは残念ね。私は太宰のかっこ悪い所も全部引っ括めて好きなのに」
「それはどうも。・・・え?」
「話してる内に花火も終わったみたいね。帰りましょうか」
「待って、先輩!今なんて・・・?」
「あら、2度も言わせるつもりかしら?」
「お願い、ちゃんと聞かせて」
「・・・愛してるわ、太宰。もうずっと前から私の心は貴方だけのモノよ」
「・・・ほんと、ズルいなぁ、先輩は。私も、貴方を愛しています」