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彼女の隣に居ることに自信を覚えたことは殆ど無い。
俺は弱くてすぐ泣くし、男らしくもないし
よく言われる理想の恋人とは程遠い自覚はある。それでも、彼女の居ない人生はもう考えられない。うん、とてもじゃないけど生きていけない。
だから、この日の為に用意した小さな櫛を後ろ手にギュッと握り締める。
「俺と、その、け、け、」
あぁもう!ほんと駄目だな俺は!肝心な時に言葉が出てこない!!心臓はバクバク煩いし顔も熱くて破裂しそう!今日まで何回も炭治郎に練習に付き合って貰ったのにこれじゃあ何の意味もないじゃないか!
情けなくてカッコ悪くて、じわりと視界が滲みポロポロと涙が溢れる。
「ごめ、んっ。すぐ止めるからっ」
「あぁ、目擦っちゃ駄目だよ。赤くなっちゃう」
手拭いを取り出し俺の涙を拭う彼女の優しさにまた涙が溢れて止まらない。出会った時から何一つ変わらないこの温かくて優しい音に俺は何度助けられてきたんだろう。何度救われたんだろう。
「ねぇ、善逸」
「な、に・・・?」
「あのね、私の家族になってくれないかな?」
「え・・・?それ、って」
驚きの余り涙が引っ込む。だってそれはさっきまで俺が言おうとしていた言葉と同意義で。
「いい、の・・・?俺、弱いし頼りないし、すぐ泣くし・・・」
「うん、私は善逸が良い。善逸の、家族になりたい」
「っ・・・」
優しい音だ。嘘のない音だ。俺のことが好きって愛しいって、そう聴こえる。
"家族になりたい"
身寄りのない俺にとってそれがどれ程嬉しい言葉か、彼女は知っていて言ったのだろうか。
「俺も君が良い。君じゃなきゃ、嫌だ・・・!」
「うん」
「俺と、結婚してください」
櫛を差し出しながら言葉を発すると同時にまた涙が出てきた。本当に最後まで締まらないな俺は。
「喜んで」
その櫛を受け取り幸せそうに笑った彼女が可愛くて仕方なくて飛び付くようにして抱き締める。彼女の早い鼓動が聞こえる。優しい音が聴こえる。温かい、愛しい、大好き。
「幸せに、なろうね」
2人で、一緒に。
俺は弱くてすぐ泣くし、男らしくもないし
よく言われる理想の恋人とは程遠い自覚はある。それでも、彼女の居ない人生はもう考えられない。うん、とてもじゃないけど生きていけない。
だから、この日の為に用意した小さな櫛を後ろ手にギュッと握り締める。
「俺と、その、け、け、」
あぁもう!ほんと駄目だな俺は!肝心な時に言葉が出てこない!!心臓はバクバク煩いし顔も熱くて破裂しそう!今日まで何回も炭治郎に練習に付き合って貰ったのにこれじゃあ何の意味もないじゃないか!
情けなくてカッコ悪くて、じわりと視界が滲みポロポロと涙が溢れる。
「ごめ、んっ。すぐ止めるからっ」
「あぁ、目擦っちゃ駄目だよ。赤くなっちゃう」
手拭いを取り出し俺の涙を拭う彼女の優しさにまた涙が溢れて止まらない。出会った時から何一つ変わらないこの温かくて優しい音に俺は何度助けられてきたんだろう。何度救われたんだろう。
「ねぇ、善逸」
「な、に・・・?」
「あのね、私の家族になってくれないかな?」
「え・・・?それ、って」
驚きの余り涙が引っ込む。だってそれはさっきまで俺が言おうとしていた言葉と同意義で。
「いい、の・・・?俺、弱いし頼りないし、すぐ泣くし・・・」
「うん、私は善逸が良い。善逸の、家族になりたい」
「っ・・・」
優しい音だ。嘘のない音だ。俺のことが好きって愛しいって、そう聴こえる。
"家族になりたい"
身寄りのない俺にとってそれがどれ程嬉しい言葉か、彼女は知っていて言ったのだろうか。
「俺も君が良い。君じゃなきゃ、嫌だ・・・!」
「うん」
「俺と、結婚してください」
櫛を差し出しながら言葉を発すると同時にまた涙が出てきた。本当に最後まで締まらないな俺は。
「喜んで」
その櫛を受け取り幸せそうに笑った彼女が可愛くて仕方なくて飛び付くようにして抱き締める。彼女の早い鼓動が聞こえる。優しい音が聴こえる。温かい、愛しい、大好き。
「幸せに、なろうね」
2人で、一緒に。