「僕の何が悪かった？」
「僕に何をして欲しかった？」

教えて、直すから、と何度尋ねても彼女からの返事はない。自分で考えろということなんだろう。余程怒っているみたいだ。

「あ、任務にかまけて一緒に居る時間が少なかったこと？忙しかったとはいえ、寂しい思いをたくさんさせてしまってたよね。だけど任務中もお前のことを考えてた・・・なんて今更言っても言い訳にしかなんないか。ごめん、反省する。
じゃあこうしよう？今日からは出来るだけお前と過ごすよう努力する。さすがに任務に行かないことは出来ないから四六時中とまではいかないけれど・・・。終わったらすぐに帰ってくる。出張した時にはお土産も買ってくるよ！お前も甘い物好きだからいっぱい、太っちゃうくらい買ってきてあげる！」

最後の言葉は余計だったかな、と案じたが彼女からの返事は無い。これだけ直したんじゃ足りないってことか・・・。
彼女によくやれと言われていたように胸に手を当てて考えてみる。

「あ、僕には気遣いが足りないとよく言っていたね。朝が苦手なのに頑張って早起きして作ってくれたお弁当も、作って待っててくれた夕飯も気分じゃないとか言って突っ返したことが何度もあったね。お前の気持ちを鑑みなかった。いや、鑑みる必要無いと思ってたのかもしれない。そんなことしなくてもお前がいなくなる訳が無いと自惚れてたんだ。
・・・うん、馬鹿すぎて言葉も無いよ。隣にいた人間が突然いなくなることが日常茶飯事の世界にいるくせに」

彼女からの返事はまだ貰えない。
呆れて物も言えないのかな。僕をもう見たくもないのかな。

「ねぇ、・・・・・・・・・・返事しろよ」

手を伸ばせば触れられる距離にいるのに、まだ駄目なのか、まだ足りないのか、
今ならとびきりレアな五条悟の泣き顔が見れるんだよ？見てみたいでしょ？
だからはやくかえっておいでよ、ほら、

「あと何個直せば、お前は生き返ってくれる？」

冷たい棺で眠る愛しい恋人は、今日も目を開くことは無い。