呪術短編
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学生時代から通ってる喫茶店の古びた木で出来たテーブル席。店内を流れる誰が奏でているのか知りもしない穏やかなジャズ。熟練のマスターの挽きたてのコーヒー。目の前に座る同級生の癪に障るニヤケ面。
甘党のクセに私の真似をしてコーヒーを頼んだ悟は1口だけ飲んだみたものの、やはりそのままでは飲めなかったようでミルクと砂糖を大量に加え徐々に白く染まっていく様子を楽しそうに眺めながらマドラーをクルクルと回している。
「悟ってさ」
「んー?」
「1人でも幸せになれそうだよね」
私の言葉にマドラーを回していた悟の手がピタリと止まり、少し怪訝そうに顔を歪めた。
「急になに?何でそう思ったわけ?」
「だって呪術師としての才能は言うこともないくらいピカイチだし身長も高いし家柄も、ムカつくけど黙ってれば顔も良いし、一見すると欠けてる所を探す方が難しいじゃない?」
「べた褒めしてくれるじゃん。なになに?やっと僕の魅力に気付いた感じ?」
「性格がそうじゃなければもっと褒めてあげられたんだけどね」
調子に乗らせてしまったかなと最後の言葉はほぼ嫌味で言ったのに、この男には何の効き目もないようで。
「でも、僕がいくら最強なグッドルッキングガイでもさ、1人じゃどうやっても手に入らない幸せもあるよ」
「へぇ、例えば?」
「結婚とか」
「結婚?・・・あぁ、確かに。それは1人じゃ無理だね。でも悟に結婚願望なんてあるの?婚約者とかいそうだけど」
「全然。なんか色々と面倒そうだし。よく知りもしない奴と結婚とか御免だね。けど、」
「けど?」
「お前も知ってるだろうけど、僕は貪欲だから欲しい物は全部手に入れたくなるんだよね」
テーブルに置いていた私の右手の上に悟の左手が重なる。ゴツゴツと骨ばった手の感触が擽ったくて手を引いてどかそうとしたのに、逃さないとばかりにグッと力を込められてテーブルに押さえつけられてしまった。
「悟、なにして、」
「だからお前が僕にその幸せを頂戴?」
「はぁ?なんで私が!?」
「言っただろ?欲しい物は全然手に入れたいって」
反対の手を私の頬に添えながらいいだろ?と紡がれた低い声がゾワリと背筋をなぞった。
甘党のクセに私の真似をしてコーヒーを頼んだ悟は1口だけ飲んだみたものの、やはりそのままでは飲めなかったようでミルクと砂糖を大量に加え徐々に白く染まっていく様子を楽しそうに眺めながらマドラーをクルクルと回している。
「悟ってさ」
「んー?」
「1人でも幸せになれそうだよね」
私の言葉にマドラーを回していた悟の手がピタリと止まり、少し怪訝そうに顔を歪めた。
「急になに?何でそう思ったわけ?」
「だって呪術師としての才能は言うこともないくらいピカイチだし身長も高いし家柄も、ムカつくけど黙ってれば顔も良いし、一見すると欠けてる所を探す方が難しいじゃない?」
「べた褒めしてくれるじゃん。なになに?やっと僕の魅力に気付いた感じ?」
「性格がそうじゃなければもっと褒めてあげられたんだけどね」
調子に乗らせてしまったかなと最後の言葉はほぼ嫌味で言ったのに、この男には何の効き目もないようで。
「でも、僕がいくら最強なグッドルッキングガイでもさ、1人じゃどうやっても手に入らない幸せもあるよ」
「へぇ、例えば?」
「結婚とか」
「結婚?・・・あぁ、確かに。それは1人じゃ無理だね。でも悟に結婚願望なんてあるの?婚約者とかいそうだけど」
「全然。なんか色々と面倒そうだし。よく知りもしない奴と結婚とか御免だね。けど、」
「けど?」
「お前も知ってるだろうけど、僕は貪欲だから欲しい物は全部手に入れたくなるんだよね」
テーブルに置いていた私の右手の上に悟の左手が重なる。ゴツゴツと骨ばった手の感触が擽ったくて手を引いてどかそうとしたのに、逃さないとばかりにグッと力を込められてテーブルに押さえつけられてしまった。
「悟、なにして、」
「だからお前が僕にその幸せを頂戴?」
「はぁ?なんで私が!?」
「言っただろ?欲しい物は全然手に入れたいって」
反対の手を私の頬に添えながらいいだろ?と紡がれた低い声がゾワリと背筋をなぞった。
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