殊更に叶わぬ呪い
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私には詳しい内容は教えて貰えなかったけれど、五条先輩と夏油先輩に重要な任務が任されたということだけは知らされた。2人だけではなく、七海くんと灰原くんもサポートの一環として態々沖縄まで行っていたみたい。いいなぁ、沖縄。任務で行ったとは分かっているけど羨ましく思ってしまう。私ももっと術師としての実力があったら2人と一緒に行けただろうに。やっぱり悔しい。
そんな私の気持ちを察してか、2人はお土産だと言って沖縄限定のお菓子をたくさん買ってきてくれた。任務の隙を見て買ったらしくなんだか七海くんが呆れたような顔をしていたから灰原くんが何か無茶なことを言ったのかもしれない。でも2人のその気持ちがただ嬉しかった。
今思えばその任務が終わった頃からだっただろうか。夏油先輩の持つ雰囲気が変わったのは。どこがどう変わったか言葉では上手く表せない。ただ前よりも笑顔がぎこちなく見えたり、考え込んでいる姿を見かけることが増えた。疲れているのかな。それとも、何かあったのかな。夏油先輩がそうなってしまうなんて、それだけ大変な任務だったのかもしれない。
朝の登校途中、校門に五条先輩の姿が見えた。今から任務に行くのだろうか。五条先輩が行く任務なら夏油先輩も一緒かもしれない。最近は呪霊の発生率が高いせいで擦れ違いになることが多いから今日を逃すとまたいつ会えるか分からなくなってしまう。だからせめて一言だけでも良いから言葉を交わしておきたい。顔が見たい。そう考えて駆け出した。
「五条先輩!」
「あ?なんだ、傑の追っかけじゃん」
「な、なんですか追っかけって!」
「いっつも傑ばっか見てんじゃん、お前。俺が隣に居んのにそっちのけで。だから追っかけ」
「そ、そんな見てないですってば!やめて下さい!」
楽しそうに笑いながら言われた言葉に顔がカーっと熱くなる。私、そんなあからさまに夏油先輩のことを見てるのかな・・・?もし本人にも気付かれていたとしたら恥ずかしくて死んでしまいそう。
「んな照れんなって。けど残念だったな。傑は別の任務に行ってるよ」
「え、五条先輩と、一緒じゃないんですか?」
「そ。昨日出掛けてってまだ帰ってきてねぇよ」
珍しい。今まで殆どの任務で2人は一緒だったのに。2人共実力のある呪術師だからこの繁忙期なのもあって別々に行かされてるのかな。・・・会いたかったなぁ。
「お前も午後から任務行くんだろ?弱ぇんだから無茶すんなよ」
「うっ・・・分かってます。先輩もお気をつけて」
五条先輩からしたら私なんて呪術師とも呼べないレベルなんだろうけど、弱いとストレートに言葉にされるとグサリと刺さるものがある。「おー」と少しダルそうに返事をした後、肩を窄めた私の頭にポンと強い力で触れながら五条先輩は校門の外へ向かっていった。いつもならその隣には夏油先輩がいたのに。今日は居ない。
チリン、と携帯電話に付けている前に夏油先輩がくれた兎のストラップの鈴が鳴った。その時脳裏に最近の夏油先輩の姿が過ぎってザワザワと言い知れぬ不安が胸を覆って心臓の鼓動が早くなる。まるで、そう、何かが壊れていくような・・・
どうしてだろう?もう、笑顔の夏油先輩には会えないような、そんな嫌な予感がした。
そんな私の気持ちを察してか、2人はお土産だと言って沖縄限定のお菓子をたくさん買ってきてくれた。任務の隙を見て買ったらしくなんだか七海くんが呆れたような顔をしていたから灰原くんが何か無茶なことを言ったのかもしれない。でも2人のその気持ちがただ嬉しかった。
今思えばその任務が終わった頃からだっただろうか。夏油先輩の持つ雰囲気が変わったのは。どこがどう変わったか言葉では上手く表せない。ただ前よりも笑顔がぎこちなく見えたり、考え込んでいる姿を見かけることが増えた。疲れているのかな。それとも、何かあったのかな。夏油先輩がそうなってしまうなんて、それだけ大変な任務だったのかもしれない。
朝の登校途中、校門に五条先輩の姿が見えた。今から任務に行くのだろうか。五条先輩が行く任務なら夏油先輩も一緒かもしれない。最近は呪霊の発生率が高いせいで擦れ違いになることが多いから今日を逃すとまたいつ会えるか分からなくなってしまう。だからせめて一言だけでも良いから言葉を交わしておきたい。顔が見たい。そう考えて駆け出した。
「五条先輩!」
「あ?なんだ、傑の追っかけじゃん」
「な、なんですか追っかけって!」
「いっつも傑ばっか見てんじゃん、お前。俺が隣に居んのにそっちのけで。だから追っかけ」
「そ、そんな見てないですってば!やめて下さい!」
楽しそうに笑いながら言われた言葉に顔がカーっと熱くなる。私、そんなあからさまに夏油先輩のことを見てるのかな・・・?もし本人にも気付かれていたとしたら恥ずかしくて死んでしまいそう。
「んな照れんなって。けど残念だったな。傑は別の任務に行ってるよ」
「え、五条先輩と、一緒じゃないんですか?」
「そ。昨日出掛けてってまだ帰ってきてねぇよ」
珍しい。今まで殆どの任務で2人は一緒だったのに。2人共実力のある呪術師だからこの繁忙期なのもあって別々に行かされてるのかな。・・・会いたかったなぁ。
「お前も午後から任務行くんだろ?弱ぇんだから無茶すんなよ」
「うっ・・・分かってます。先輩もお気をつけて」
五条先輩からしたら私なんて呪術師とも呼べないレベルなんだろうけど、弱いとストレートに言葉にされるとグサリと刺さるものがある。「おー」と少しダルそうに返事をした後、肩を窄めた私の頭にポンと強い力で触れながら五条先輩は校門の外へ向かっていった。いつもならその隣には夏油先輩がいたのに。今日は居ない。
チリン、と携帯電話に付けている前に夏油先輩がくれた兎のストラップの鈴が鳴った。その時脳裏に最近の夏油先輩の姿が過ぎってザワザワと言い知れぬ不安が胸を覆って心臓の鼓動が早くなる。まるで、そう、何かが壊れていくような・・・
どうしてだろう?もう、笑顔の夏油先輩には会えないような、そんな嫌な予感がした。
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