殊更に叶わぬ呪い
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生徒数の少ない呪術高専で加えて同級生ということもあって七海くんと灰原くんと3人で居ることが多かった。呪術師しかいない特殊な学校に通いながらも話す内容は昨日見たテレビ番組のことやゲーム、好きな歌のことなんて普通の学生と何ら変わり映えの無いことで、それでもそんな日々がまた楽しかった。
そんな何てことのないある日のお昼休みの話。
「ところで咲楽はいつ夏油さんに告白するの?」
「っ!?ゲホッゲホッ!」
何の脈絡も無く放たれた灰原くんからの疑問に私は食べていたサンドイッチを上手く飲み込めず噎せてしまった。そんな私の様子を見て七海くんが呆れたように溜息を吐いた。
「灰原、いくら何でも唐突すぎます」
「え!ごめんっ!大丈夫?まさかそんなに驚くと思わなくて・・・」
「だ、大丈夫。でもどうしたの?急に」
灰原くんが労るように私の背中を擦りながら謝罪する。生理反応からか薄らと目尻に涙が滲んだけれど大分落ち着いてきた。
「えーだってさ咲楽、夏油さんのことが好きなのにせっかく話しても挨拶だけとか任務のことばっかり話してて何の進展も無いし。恋人同士になりたくないの?夏油さんと」
「そ、それは・・・欲を言ってしまえばなりたい、けど」
「けど?」
「夏油先輩は特級術師で強くてカッコイイしそれにとても優しい人で・・・私なんかじゃ先輩に釣り合わないよ」
想いを自覚してから何度も先輩の隣に立つ自分を想像してみたけれど、あまりにも不釣り合いで自信が無くて。あの優しい笑顔が向けられるだけでも贅沢だと思ってるのに恋人になるなんてとても私には・・・
「そう、自分を卑下することはないと思いますよ」
「七海くん、でも」
「貴方は確かに呪術師として実力が高い訳ではありませんが、それだけで貴方の価値が決まるものではないでしょう。私達も貴方の正確なサポートや気配りの良さに何度も助けられていますし」
「うんうん、その通りだよ!さすが七海、良いこと言うね!」
「わ、私が・・・?」
告げられた言葉に驚いて七海くんの顔を見る。だって私が2人の役に立てているという自覚は欠片も無かったから。でも七海くんはいつもと変わらない真面目な顔をしていて、それが慰めやお世辞ではないと分かった。
「はい。もう少し自信を持ってもいいのではないですか?貴方を近くで見て知る一個人として、貴方が他の人間に見劣りするとは思いません」
「あ、狡い!七海だけじゃなくて勿論僕もそう思ってるからね!!それに、夏油さんのこと真剣に好きなんでしょ?だったら釣り合いとかそんなこと関係なくその気持ちがあればそれだけで十分だよ!」
「七海くん・・・灰原くん・・・」
力強い励ましに嬉しくて目頭が熱くなる。ずっと近くで見守ってくれていた2人からの言葉だから余計に心に沁みたのかもしれない。
「頑張ってみても、良いのかな・・・?」
ポツリと零した私の言葉に2人は顔を見合わせた後、優しく笑った。
「当たり前じゃん!もうこうなったら当たって砕けろだよ!!ね、七海!」
「いや、砕けたら駄目でしょう」
「ふふ。確かに出来れば砕けたくは無いけど自分から動かないと何も変わらないよね」
夏油先輩の姿を頭に思い浮かべる。話せるだけでも満たされている。でももし、もっと近くに立つことが出来たならきっとそれは今よりもっと・・・
「ありがとう、2人とも。次はもっと話せるように頑張ってみるね」
もう少しだけ、欲張りになってみようと思った。
そんな何てことのないある日のお昼休みの話。
「ところで咲楽はいつ夏油さんに告白するの?」
「っ!?ゲホッゲホッ!」
何の脈絡も無く放たれた灰原くんからの疑問に私は食べていたサンドイッチを上手く飲み込めず噎せてしまった。そんな私の様子を見て七海くんが呆れたように溜息を吐いた。
「灰原、いくら何でも唐突すぎます」
「え!ごめんっ!大丈夫?まさかそんなに驚くと思わなくて・・・」
「だ、大丈夫。でもどうしたの?急に」
灰原くんが労るように私の背中を擦りながら謝罪する。生理反応からか薄らと目尻に涙が滲んだけれど大分落ち着いてきた。
「えーだってさ咲楽、夏油さんのことが好きなのにせっかく話しても挨拶だけとか任務のことばっかり話してて何の進展も無いし。恋人同士になりたくないの?夏油さんと」
「そ、それは・・・欲を言ってしまえばなりたい、けど」
「けど?」
「夏油先輩は特級術師で強くてカッコイイしそれにとても優しい人で・・・私なんかじゃ先輩に釣り合わないよ」
想いを自覚してから何度も先輩の隣に立つ自分を想像してみたけれど、あまりにも不釣り合いで自信が無くて。あの優しい笑顔が向けられるだけでも贅沢だと思ってるのに恋人になるなんてとても私には・・・
「そう、自分を卑下することはないと思いますよ」
「七海くん、でも」
「貴方は確かに呪術師として実力が高い訳ではありませんが、それだけで貴方の価値が決まるものではないでしょう。私達も貴方の正確なサポートや気配りの良さに何度も助けられていますし」
「うんうん、その通りだよ!さすが七海、良いこと言うね!」
「わ、私が・・・?」
告げられた言葉に驚いて七海くんの顔を見る。だって私が2人の役に立てているという自覚は欠片も無かったから。でも七海くんはいつもと変わらない真面目な顔をしていて、それが慰めやお世辞ではないと分かった。
「はい。もう少し自信を持ってもいいのではないですか?貴方を近くで見て知る一個人として、貴方が他の人間に見劣りするとは思いません」
「あ、狡い!七海だけじゃなくて勿論僕もそう思ってるからね!!それに、夏油さんのこと真剣に好きなんでしょ?だったら釣り合いとかそんなこと関係なくその気持ちがあればそれだけで十分だよ!」
「七海くん・・・灰原くん・・・」
力強い励ましに嬉しくて目頭が熱くなる。ずっと近くで見守ってくれていた2人からの言葉だから余計に心に沁みたのかもしれない。
「頑張ってみても、良いのかな・・・?」
ポツリと零した私の言葉に2人は顔を見合わせた後、優しく笑った。
「当たり前じゃん!もうこうなったら当たって砕けろだよ!!ね、七海!」
「いや、砕けたら駄目でしょう」
「ふふ。確かに出来れば砕けたくは無いけど自分から動かないと何も変わらないよね」
夏油先輩の姿を頭に思い浮かべる。話せるだけでも満たされている。でももし、もっと近くに立つことが出来たならきっとそれは今よりもっと・・・
「ありがとう、2人とも。次はもっと話せるように頑張ってみるね」
もう少しだけ、欲張りになってみようと思った。