殊更に叶わぬ呪い
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爪先立ちの恋だった。
「夏油先輩、おはようございます!」
「あぁ、君か。おはよう」
話しかけると必ず返事をくれる人だった。その優しく笑う顔と、低く落ち着いた声にいつからだったか淡い恋心を抱いていた。特級術師である彼の隣に立つには私はあまりにも弱くて不相応で、その想いを伝えようとは思わなかったけれど。
先輩とただ話せるだけで満たされていた。幸せだった。
「これから任務かな?」
「はい。今日は七海くんと灰原くんと一緒に」
「そう、それなら心強いね。でも君なら大丈夫だろうけど、何があるか分からないから決して油断はしないように。気をつけて行っておいで」
「ありがとうございます。夏油先輩は今日は任務お休みですか?」
「あぁ、そうだよ」
「じゃあ今日はゆっくり体を休めてくださいね。連日お忙しそうだったので・・・」
「そうさせてもらうよ。気遣ってくれてありがとう。君は優しいね」
頭にポン、と夏油先輩の大きな手が乗せられそのまま優しく撫でられる。先輩の手の温度を感じ意識してしまい、心臓がバクバクと煩く鳴る。こういうことを無意識に出来てしまう所か先輩の恐ろしくて狡い所だと思う。
「せ、先輩、そろそろ私、」
「あ、そうだったね。引き止めてすまない。遅刻してしまうかな?」
「いえ、任務の確認をしておこうと思って余裕を持って動いていたので大丈夫です」
「君は本当に真面目だね。感心するよ」
「あ、ありがとうございます・・・!」
褒め言葉に赤くなった顔を隠すようにそれでは、と一礼して踵を返し集合地点へと歩く。途中気になってしまい振り返ると夏油先輩はまだそこに立っていて、私と目が合うとヒラヒラと手を振ってくれた。その行為にまた心が浮つくのを感じながらも小さく手を振り返した。
これは私の恋の話。
痛くて苦しくて辛くて、それでも優しくて温かかった、そんな淡い恋の思い出の話。
「夏油先輩、おはようございます!」
「あぁ、君か。おはよう」
話しかけると必ず返事をくれる人だった。その優しく笑う顔と、低く落ち着いた声にいつからだったか淡い恋心を抱いていた。特級術師である彼の隣に立つには私はあまりにも弱くて不相応で、その想いを伝えようとは思わなかったけれど。
先輩とただ話せるだけで満たされていた。幸せだった。
「これから任務かな?」
「はい。今日は七海くんと灰原くんと一緒に」
「そう、それなら心強いね。でも君なら大丈夫だろうけど、何があるか分からないから決して油断はしないように。気をつけて行っておいで」
「ありがとうございます。夏油先輩は今日は任務お休みですか?」
「あぁ、そうだよ」
「じゃあ今日はゆっくり体を休めてくださいね。連日お忙しそうだったので・・・」
「そうさせてもらうよ。気遣ってくれてありがとう。君は優しいね」
頭にポン、と夏油先輩の大きな手が乗せられそのまま優しく撫でられる。先輩の手の温度を感じ意識してしまい、心臓がバクバクと煩く鳴る。こういうことを無意識に出来てしまう所か先輩の恐ろしくて狡い所だと思う。
「せ、先輩、そろそろ私、」
「あ、そうだったね。引き止めてすまない。遅刻してしまうかな?」
「いえ、任務の確認をしておこうと思って余裕を持って動いていたので大丈夫です」
「君は本当に真面目だね。感心するよ」
「あ、ありがとうございます・・・!」
褒め言葉に赤くなった顔を隠すようにそれでは、と一礼して踵を返し集合地点へと歩く。途中気になってしまい振り返ると夏油先輩はまだそこに立っていて、私と目が合うとヒラヒラと手を振ってくれた。その行為にまた心が浮つくのを感じながらも小さく手を振り返した。
これは私の恋の話。
痛くて苦しくて辛くて、それでも優しくて温かかった、そんな淡い恋の思い出の話。
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