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救いか苦しみか

ー廃工場ー

「おーいガルディア〜!ちと話があんだが……って、
あれ……?」

キルアは廃工場に戻ってくると、壁に貼り付けてあったはずのジャックがいなくなっているのを見てキョトンとした。

「あれ、じゃないわよ……。」

「っ……。」

声と共に物凄い殺気を感じたキルアは恐る恐る振り返った。そこには黒々としたオーラを放って腕組みをしているガルディアが壁にもたれてキルアを待っていた。

「お、おはようございますガルディアさん……。」

「ほんと、こんな悪い目覚めはないよ!一体どこほっつき歩いてたんだい!おかげで奴が逃げちまっただろ!?」

「あだっ!!」

ガルディアはキルアを拳骨で一発殴ると、額を押さえてため息をついた。

「また最初からじゃないか……まぁ、あれだけの傷を負ってちゃ遠くは行けないだろうから、早いとこ見つけてさっさと殺しちまおう。」

「……なぁ、その事なんだけどよ。」

「……なんだい。」

キルアが気まずそうに話しかけると、ガルディアは不機嫌そうに反応した。

「……その、これぐらいでいいんじゃねぇか?結構痛めつけたし……い、今頃小便垂らして怯えてやがるさ!まぁあれも餓鬼な訳だし…な?」

キルアはそう言い終わると同時にちらっとガルディアの表情を確認した。

「何言ってんだい。許すわけないだろ?」

ガルディアは考える間もなく、即答した。

「散々痛めつけた?ガキだから?馬鹿なこと言ってんじゃないよ!あいつが何をしたか分かってんのかい!?」

「そ、それは分かってるって……、」

「じゃあ何でそんな事言えんだい!!『人間』として生きようとしたアタイらを殺して…あの子らまで殺して……そしてアタイらをまたこうして『化物』にした!!そんな奴許せるわけないだろ!?殺して殺して……泣き叫んで詫びたって、殺し続けるんだよ!!」

ガルディアはキルアの胸ぐらを掴み上げ、すごい剣幕で怒鳴った。

「っ、おい落ち着けって…っ!」

キルアは苦しそうに顔をしかめ、ガルディアの手を掴んだ。ガルディアはギリッと歯を噛み締め、乱暴にキルアを離した。

「……とにかく、奴を見つけ出すんだよ。いいね?」

「……ん。」

キルアは首を擦りながら不服そうに頷き、顔を背けた。

(……俺らをまた『化物』にすんのは、実は俺ら自身なんじゃねぇのか……。)

その言葉も、キルアはぐっと飲み込み、胸の奥底にしまい込んだ。
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