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協力者

「うーん、ふっかーつ!!」

クロエはその後数日ゆっくり休むと、すっかり元気になった。その間ジャックは色んな情報を集め、ある一人の犯罪者に目をつけていた。

「復活じゃねぇわ!こちとらやっと手がかりつかみ始めたのにぐーすか寝やがって!!次の日には微熱に下がってただろーが!!」

「すぐ動いてまた熱が上がったら困るじゃないのよ。それより、誰がいいの見つかった?」

「ちっ。こいつは国の裏金を操る組織の元リーダーだったやつだ。俺が幹部を全滅させた後、他の国に逃亡してたんだが、最近この国に戻ってきたらしい。それも、大金を持ってな。」

「その大金って、また国の裏金かしら?」

「ああ、逃亡先のもんだ。それをこの国の政府の人間に渡して、また組織を作ろうとしてやがる。その政府の人間は前に組織の事件を担当してたやつらしい。」

「つまり、お金を渡して組織作りを妨害させないようにしてるのね。その政府の人間も最低ね~。」

クロエは腕組みをしながら話を聞いた。

「その、前の組織は何をしていたの?」

「…人身売買や薬物売買、それらの売り上げと国の裏金で兵器の輸入をやってた。」

「兵器って、この国は戦争してないし、過激なグループもいないわよ?そんなもの輸入してどうする気?」

「…戦争を、始めさせようとしてんのさ。この国でな。」

ジャックは資料を机に置き、ため息を吐いた。

「この国は昔色々やらかして、あちこちから戦争をふっかけられてた。が、今は王権から政権に変わり、そーゆーのも無くなった。それを、戦争したかった奴等が悔しがってんのさ。だから自分達が戦争を起こすきっかけを作ろうと、問題を起こしたり兵器を輸入してるってわけだ。」

「そんなこと一般人ができるの?」

クロエは眉を眉間に寄せながらジャックを見た。

「あぁ、昔から関係が悪い国にちょいとふっかけりゃ向こうからやってくる。そうなりゃこっちも対抗せざるをえねぇ。しかも政府の人間にも戦争を望むやつがいるなら余計やりやすいはずだぜ?」

「そんな簡単に言うけど、戦争して何か利益あるの?」

「意外と戦争って儲かるらしいぜ?兵器を作って売ってる国は大儲け、そうすりゃ世界中の経済は動く。そしてさらに兵器の開発などが進む…悪循環だな。」

ジャックは淡々と説明し、コーヒーを飲んだ。

「…戦争だなんて、事が大きすぎるわ。」

クロエは腕を擦り、少し怖がってる様子だった。

「だーから、俺がそーゆーやつらを片っ端から殺していってるんだろうが。」

ジャックはからになったコップをクロエの額にコツッと当てた。

「いたっ!もうっ!そんなのあなただけでどうにかなるものなの!?」

クロエは額を押さえながらジャックを睨んだ。

「俺を誰だと思ってんだよ、世界に怯えられる存在、『切り裂きジャック』だぞ?なめんな。」

「だから、だったでしょ?いい加減気をつけなさいよ。」

「うるせぇ!!ずべこべ言ってねぇで、さっさとこいつのこと見張るぞ!!」

ジャックは上着にフードをつけ、マスクとナイフを準備し、クロエを引き摺りながら外に飛び出した。

「あーっ!!まちなさいよっ!もー!!!」
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