ひとときの安らぎ
翌日、クロエはモゾモゾと体を動かしながら目を覚ました。空を見上げると雨はすっかりやんで、雲一つない晴天だった。
「よう、起きたか?」
まだ寝惚けているクロエの顔を、ジャックはニヤニヤと笑いながら覗き込んだ。
「…面白そうに見るんじゃないわよ。ふぁ~っ、よく寝た…。」
「そりゃよかったな。あんなに文句タラタラ言ってたくせによ。」
ジャックは大きく伸びをすると、立ち上がってズボンの砂を払った。クロエは少しムッとしていたが、ふとくっきりと残っているジャックの腕の痕を見つけた。
「…ずっとあたしを支えながら寝てたの?」
「あ?寝てねぇよ。いつあいつらが入ってくるかわかんねぇし、そもそも雨の日は音が気になって寝れねぇんだよ。」
ジャックはケロッとした様子でそう言うと、肩をコキコキと鳴らしながら周囲を見渡した。
「…朝飯配られてるみてぇだから、取ってきてやるよ。それまでにヨダレ拭いとけよな。」
「んなっ!?」
クロエは慌てて頬を拭いたが、特にヨダレは付いていなかった。
「んもうっ!!ヨダレなんか垂れてないじゃない!!」
ジャックは必死に笑いを堪えながら、朝食を取りに行ってしまった。クロエは恥ずかしそうに頬を赤らめながら、ジャックと同じようにスカートの砂を払った。
「全く…本当に腹が立つわ。どうしてあんな奴を選んじゃったのかしら。」
クロエは階段に座って頬杖をついた。
「……それにしても、あたしったら夢の中でジャックが温かいなんて言ってたわね。何馬鹿げた事をいってたのかしら?」
クロエは空を見つめ、小さくため息をついた。
「…何だか変な気持ち、胸の中がすごくザワザワする。これも全部あいつの呪いのせいだわ…。」
「何でもかんでも呪いのせいにしてんじゃねぇよ。」
ジャックはクロエの耳に冷たい缶を当てた。クロエは肩を震わせ、小さく悲鳴を上げた。
「なっ、何するのよ!?」
クロエは耳を押さえながらジャックを睨んだ。
「気の抜けた顔してるから、目覚ましてやろうと思ってな。んで?何が呪いのせいなんだ?」
ジャックはククッと笑いながら首をかしげた。クロエはふいっと顔を背けた。
「別に、何でもないわよ。」
「ふーん。」
ジャックはクロエの隣に座り、貰ってきたサンドイッチの入った包みを渡した。
「さっき警備の奴らと話してきた。どうやらあのバケモンは街から消えたらしい。安全が確認でき次第、ここから出られるとよ。」
「あらそう…。でも、大丈夫なのかしら?」
クロエは包みを開きながら不安そうに言った。
「あれがいつ出てくるのか、それが分からないことには安心出来ないわ。それに、誰構わず襲いかかるようだし。」
「確かにな…、だがいつまでもここで縮こまってるわけにもいかねぇだろ?」
「そうだけど…。」
「…テメェの事は俺が守ってやるんだ。何も心配ねぇだろ?」
ジャックはそう言うとサンドイッチを頬張った。
「そ、そういう問題じゃないのよ!」
クロエは少し頬を赤くしながら怒鳴った。
「…この街の人が、あんなのに殺されたりするのが嫌なのよ。気が悪いじゃない。」
「お?一応そういう気持ちはあるんだな、自分の事しか考えてねぇと思ってたぜ。」
ジャックは目を見開きながらクロエを見た。
「ふんっ、言ってなさいよ。」
クロエは不機嫌そうにサンドイッチをかじった。そんなクロエを見つめた後、ジャックはふと思いついた。
「…なぁ、こんな騒ぎのあとじゃ、出てくるもんも出てこねぇだろ?だから暫く休みって事であの野郎を忘れて、買い物でもしねぇか?」
「…買い物?」
クロエは少し声のトーンを上げ、ジャックを見つめた。
「あぁ、昨日服買ってやるって言ったしよ。どうせこれからも居候するなら、なんやかんやいるだろ?いい加減揃えた方がいい。」
ジャックは残りのサンドイッチを押し込み、コーヒを飲んだ。クロエは少し機嫌が良くなり、ふっと微笑んだ。
「なら、大金用意しときなさいよ?あたしは何でもこだわってるんだから。」
「…居候のくせに贅沢言いやがって…。」
ジャックは呆れた顔をしながらカラになった缶を握り潰した。
「よう、起きたか?」
まだ寝惚けているクロエの顔を、ジャックはニヤニヤと笑いながら覗き込んだ。
「…面白そうに見るんじゃないわよ。ふぁ~っ、よく寝た…。」
「そりゃよかったな。あんなに文句タラタラ言ってたくせによ。」
ジャックは大きく伸びをすると、立ち上がってズボンの砂を払った。クロエは少しムッとしていたが、ふとくっきりと残っているジャックの腕の痕を見つけた。
「…ずっとあたしを支えながら寝てたの?」
「あ?寝てねぇよ。いつあいつらが入ってくるかわかんねぇし、そもそも雨の日は音が気になって寝れねぇんだよ。」
ジャックはケロッとした様子でそう言うと、肩をコキコキと鳴らしながら周囲を見渡した。
「…朝飯配られてるみてぇだから、取ってきてやるよ。それまでにヨダレ拭いとけよな。」
「んなっ!?」
クロエは慌てて頬を拭いたが、特にヨダレは付いていなかった。
「んもうっ!!ヨダレなんか垂れてないじゃない!!」
ジャックは必死に笑いを堪えながら、朝食を取りに行ってしまった。クロエは恥ずかしそうに頬を赤らめながら、ジャックと同じようにスカートの砂を払った。
「全く…本当に腹が立つわ。どうしてあんな奴を選んじゃったのかしら。」
クロエは階段に座って頬杖をついた。
「……それにしても、あたしったら夢の中でジャックが温かいなんて言ってたわね。何馬鹿げた事をいってたのかしら?」
クロエは空を見つめ、小さくため息をついた。
「…何だか変な気持ち、胸の中がすごくザワザワする。これも全部あいつの呪いのせいだわ…。」
「何でもかんでも呪いのせいにしてんじゃねぇよ。」
ジャックはクロエの耳に冷たい缶を当てた。クロエは肩を震わせ、小さく悲鳴を上げた。
「なっ、何するのよ!?」
クロエは耳を押さえながらジャックを睨んだ。
「気の抜けた顔してるから、目覚ましてやろうと思ってな。んで?何が呪いのせいなんだ?」
ジャックはククッと笑いながら首をかしげた。クロエはふいっと顔を背けた。
「別に、何でもないわよ。」
「ふーん。」
ジャックはクロエの隣に座り、貰ってきたサンドイッチの入った包みを渡した。
「さっき警備の奴らと話してきた。どうやらあのバケモンは街から消えたらしい。安全が確認でき次第、ここから出られるとよ。」
「あらそう…。でも、大丈夫なのかしら?」
クロエは包みを開きながら不安そうに言った。
「あれがいつ出てくるのか、それが分からないことには安心出来ないわ。それに、誰構わず襲いかかるようだし。」
「確かにな…、だがいつまでもここで縮こまってるわけにもいかねぇだろ?」
「そうだけど…。」
「…テメェの事は俺が守ってやるんだ。何も心配ねぇだろ?」
ジャックはそう言うとサンドイッチを頬張った。
「そ、そういう問題じゃないのよ!」
クロエは少し頬を赤くしながら怒鳴った。
「…この街の人が、あんなのに殺されたりするのが嫌なのよ。気が悪いじゃない。」
「お?一応そういう気持ちはあるんだな、自分の事しか考えてねぇと思ってたぜ。」
ジャックは目を見開きながらクロエを見た。
「ふんっ、言ってなさいよ。」
クロエは不機嫌そうにサンドイッチをかじった。そんなクロエを見つめた後、ジャックはふと思いついた。
「…なぁ、こんな騒ぎのあとじゃ、出てくるもんも出てこねぇだろ?だから暫く休みって事であの野郎を忘れて、買い物でもしねぇか?」
「…買い物?」
クロエは少し声のトーンを上げ、ジャックを見つめた。
「あぁ、昨日服買ってやるって言ったしよ。どうせこれからも居候するなら、なんやかんやいるだろ?いい加減揃えた方がいい。」
ジャックは残りのサンドイッチを押し込み、コーヒを飲んだ。クロエは少し機嫌が良くなり、ふっと微笑んだ。
「なら、大金用意しときなさいよ?あたしは何でもこだわってるんだから。」
「…居候のくせに贅沢言いやがって…。」
ジャックは呆れた顔をしながらカラになった缶を握り潰した。
