謎の襲撃者
ジャックが子供を助け出している頃、クロエは何とか黒い物体から逃げ出し、噴水広場まで逃げてきた。しかし街の中はそれがあちこちで徘徊しており、避難地域までもかなり距離があった。
「はぁ、はぁ…何なのよあれ!気味が悪いったらありゃしないっ!というか、切り裂きジャックはどこいったのよ!?ちゃんとあたしを守りなさいよ!!」
クロエは噴水のフチに凭れかかり、呼吸を整えた。
「全く…あたしが死んだらその瞬間に死んじゃうのに、どうしてこんな危険に晒すのかしら…。どうせ死ぬなら、可憐な少女をしっかり守り抜いてカッコ良く死になさいよっ。」
クロエがグチグチと文句を言っていると、フワッと噴水の上にあの男が降り立った。
「やぁ、ご機嫌よう、お嬢さん。」
「!?」
クロエはサッと男から距離を置き、きっと睨みつけた。
「あなたは…!!」
「随分と濡れて、可哀想に…。僕の傘に入るかい?」
男が微笑みながら傘を差し出すと、クロエは更に睨みを効かせた。
「誰が入るもんですか!大体、誰のせいでこんなことになってると思ってるの!?さっさと元の姿に戻しなさいよ!」
「それは出来ない相談だ…。何故ならそれは君の罪の証…、君が今まで何をしてきたのかわかっているのかい?」
「…あんなの、騙される方が悪いのよ。」
クロエはそっぽを向いて腕を組んだ。
「どうやら君はまだ懲りていないようだね。それとも、君の『罪』が、納得出来ないのかな?」
男は噴水から飛び降り、フチに座った。
「君の『罪』と、それまでの過去…。天秤にかけたらまだ過去の方が重いとでも?そんなの言い訳だ…それに君は、またもう一つ重い『罪』を犯したことに気付いているかい?」
「…切り裂きジャックを騙して、あなたを殺すために利用している事かしら?」
クロエは薄っすらと笑いながら答えた。
「どちらかと言うと、騙している方だね。僕を殺そうと思うのは勝手だが、彼に嘘をついたことはいただけない…。彼はどう足掻いたって死ぬ運命、それなのに何故生きる希望を与えてしまったんだ?彼にとってそれがどんなものになるのか…それが嘘だと分かった時、君をどうすると思う?彼が、『切り裂きジャック』だと言うことを忘れてはいけないよ。」
「あら、ここにきてあたしの命の心配?」
クロエはフフッと笑い、男を見つめた。
「それなら心配要らないわ?だってあたしを殺したら、彼はその瞬間に死ぬのよ?だからバレたって、あたしを殺したりしないわ。まぁあなたを殺す事もやめてしまうだろうけど、その時はまた違う方法を考えるわ。」
「…やはり君は『切り裂きジャック』を何も理解していないね。」
男は立ち上がり、傘をクロエに無理やり持たせた。
「ちょっと…!」
「彼が真実に気付いた時、君は心の底から罪に苦しみ、一生縛り付けられるだろう…。君の新たな『罪』の証は僕からではなく、彼によって下される…。それまでその余裕な態度でいることだ。」
男はそう言ってクロエの頭を撫でると、霧の中へ姿を消した。
「ちょっと!どういう事なのよ!待ちなさい…っ!!」
クロエが男を追いかけようとした時、後ろから黒い物体が襲いかかってきた。
「っ…!!」
クロエはぎゅっと目をつぶったが、一向に痛みは訪れず、そっと目を開けてみた。そこには攻撃を受け止めているジャックの姿があった。
「ジャック…!」
「ったく…ちょこちょこしやがってこんなところに居やがったのかよ!俺がどんだけ雨の中探したと思ってんだ!!」
ジャックは黒い物体を跳ね返し、左手で切り裂いた。するとそれは煙のように消えていった。
「うるさいわね…!あたしだってどれだけそれに追いかけられたことか!」
「テメェなんかちっせぇんだから、床の下でも隠れときゃいいだろうよ!」
「嫌よ!洋服が汚れるじゃない!!」
「命と服どっちの方が大事なんだよ!?」
「っ…。」
ジャックにそういわれると、クロエは言い返すことができず、ムッとした。
「…どうせそんなに濡れちまったら一緒だろうがよ。服ぐらい、今度買ってやる。」
ジャックはヒョイっとクロエを抱き抱え、あたりを見渡した。
「…言ったわね、あたしはそこら辺の安物なんか着ないから。」
クロエがぼそっと呟くと、ジャックはにっと笑った。
「居候が、文句言ってんじゃねぇよ。」
ジャックは周りに敵がいないことを確認すると、地面を蹴って近くの建物の屋根に飛び乗った。
「キャッ!?」
クロエは目を見開きながらジャックにしがみついた。
「な、なんでこんな高さまで跳べるのよ!?」
「さぁな、俺にも分からねぇが、どうもこの呪いの力らしい。あらゆる身体能力が跳ね上がった。」
ジャックは疾風の如く屋根の上を走り抜け、避難地域までクロエを運んだ。
「はぁ、はぁ…何なのよあれ!気味が悪いったらありゃしないっ!というか、切り裂きジャックはどこいったのよ!?ちゃんとあたしを守りなさいよ!!」
クロエは噴水のフチに凭れかかり、呼吸を整えた。
「全く…あたしが死んだらその瞬間に死んじゃうのに、どうしてこんな危険に晒すのかしら…。どうせ死ぬなら、可憐な少女をしっかり守り抜いてカッコ良く死になさいよっ。」
クロエがグチグチと文句を言っていると、フワッと噴水の上にあの男が降り立った。
「やぁ、ご機嫌よう、お嬢さん。」
「!?」
クロエはサッと男から距離を置き、きっと睨みつけた。
「あなたは…!!」
「随分と濡れて、可哀想に…。僕の傘に入るかい?」
男が微笑みながら傘を差し出すと、クロエは更に睨みを効かせた。
「誰が入るもんですか!大体、誰のせいでこんなことになってると思ってるの!?さっさと元の姿に戻しなさいよ!」
「それは出来ない相談だ…。何故ならそれは君の罪の証…、君が今まで何をしてきたのかわかっているのかい?」
「…あんなの、騙される方が悪いのよ。」
クロエはそっぽを向いて腕を組んだ。
「どうやら君はまだ懲りていないようだね。それとも、君の『罪』が、納得出来ないのかな?」
男は噴水から飛び降り、フチに座った。
「君の『罪』と、それまでの過去…。天秤にかけたらまだ過去の方が重いとでも?そんなの言い訳だ…それに君は、またもう一つ重い『罪』を犯したことに気付いているかい?」
「…切り裂きジャックを騙して、あなたを殺すために利用している事かしら?」
クロエは薄っすらと笑いながら答えた。
「どちらかと言うと、騙している方だね。僕を殺そうと思うのは勝手だが、彼に嘘をついたことはいただけない…。彼はどう足掻いたって死ぬ運命、それなのに何故生きる希望を与えてしまったんだ?彼にとってそれがどんなものになるのか…それが嘘だと分かった時、君をどうすると思う?彼が、『切り裂きジャック』だと言うことを忘れてはいけないよ。」
「あら、ここにきてあたしの命の心配?」
クロエはフフッと笑い、男を見つめた。
「それなら心配要らないわ?だってあたしを殺したら、彼はその瞬間に死ぬのよ?だからバレたって、あたしを殺したりしないわ。まぁあなたを殺す事もやめてしまうだろうけど、その時はまた違う方法を考えるわ。」
「…やはり君は『切り裂きジャック』を何も理解していないね。」
男は立ち上がり、傘をクロエに無理やり持たせた。
「ちょっと…!」
「彼が真実に気付いた時、君は心の底から罪に苦しみ、一生縛り付けられるだろう…。君の新たな『罪』の証は僕からではなく、彼によって下される…。それまでその余裕な態度でいることだ。」
男はそう言ってクロエの頭を撫でると、霧の中へ姿を消した。
「ちょっと!どういう事なのよ!待ちなさい…っ!!」
クロエが男を追いかけようとした時、後ろから黒い物体が襲いかかってきた。
「っ…!!」
クロエはぎゅっと目をつぶったが、一向に痛みは訪れず、そっと目を開けてみた。そこには攻撃を受け止めているジャックの姿があった。
「ジャック…!」
「ったく…ちょこちょこしやがってこんなところに居やがったのかよ!俺がどんだけ雨の中探したと思ってんだ!!」
ジャックは黒い物体を跳ね返し、左手で切り裂いた。するとそれは煙のように消えていった。
「うるさいわね…!あたしだってどれだけそれに追いかけられたことか!」
「テメェなんかちっせぇんだから、床の下でも隠れときゃいいだろうよ!」
「嫌よ!洋服が汚れるじゃない!!」
「命と服どっちの方が大事なんだよ!?」
「っ…。」
ジャックにそういわれると、クロエは言い返すことができず、ムッとした。
「…どうせそんなに濡れちまったら一緒だろうがよ。服ぐらい、今度買ってやる。」
ジャックはヒョイっとクロエを抱き抱え、あたりを見渡した。
「…言ったわね、あたしはそこら辺の安物なんか着ないから。」
クロエがぼそっと呟くと、ジャックはにっと笑った。
「居候が、文句言ってんじゃねぇよ。」
ジャックは周りに敵がいないことを確認すると、地面を蹴って近くの建物の屋根に飛び乗った。
「キャッ!?」
クロエは目を見開きながらジャックにしがみついた。
「な、なんでこんな高さまで跳べるのよ!?」
「さぁな、俺にも分からねぇが、どうもこの呪いの力らしい。あらゆる身体能力が跳ね上がった。」
ジャックは疾風の如く屋根の上を走り抜け、避難地域までクロエを運んだ。
