コンコン

理事長「どうぞ」
『失礼します。』

ガチャ

理「あら…今日から編入するsopranoくんじゃない？」
『ハイ。よろしくお願いします。』
理「編入という形だけど、しっかりと勉学に励むように。」
『ハイ。』
理「猿渡!!宮崎くんをクラスまで案内してあげて？まだＨＲ終わってないだろうから」

猿「ハイ。かしこまりました。じゃあsopranoくん！ついておいで」

俺は猿渡教頭についていく。大きな間取りの理事長室から階段を上がり、ざわめく教室へと向かう。

ガラッ

猿「今日はアメリカから転校生が来ています！静かに！」

？「おぉー!!サッカー部に来てくれるかなっ？」
？「行くわけねぇだろ!!」
？「は？サッカーは万国共通なんだぜ？」

と教室の中で誰かが口論している。茶髪に茶髪。みんな同じ髪型のように見えて仕方がない。それもそのはず、ここは自由な校風として評判の学園だ。

(あいにく部活に入らねぇから!!)

猿「ではっ!!sopranoくん。入って来なさい」
『アメリカから転校してきたsopranoaltoです。よろしくお願いします。』

ペコっとお辞儀をするとざわざわと男勢が群がる。アメリカからの転校生ともなれば珍しさはひときわだろう。

中「俺は中津秀一でぇーす♪」
瑞「俺もアメリカから転校してきたんだぜ？芦屋瑞稀ってんだ!!よろしくなっalto！」
『おぅ…』
(俺だけじゃ、なかったんだ)
瑞「おぃ!!佐野!!自己紹介しろよ!!」
佐「は？今自己紹介するのはアイツだろ？どーせ明日になったら分かってるんだから…。いいだろ。」
猿「…。さて、よろしいですか？じゃあ私はこれで。sopranoくんは放課後までに寮を決めて下さいね。」

ガラッ

猿渡教頭が出ていくと俺はクラスの男子に囲まれてしまった。