第8章 巨兵の大戦

「セラ!まだいけるか!」
「大丈夫!だけど…」
「キリねぇなぁ!伯父さん!まだかかる!?」
「まだです!」
作戦開始から2時間。
次々に襲ってくるアトラスを、既に10体以上撃破している三人が、ホープに問う。
「リーナ、ここを」
「わかってます。マスター・ホープはあちらのパーツの解析を」
「ええ、任せました」
二人の作業は続いている。
「進捗は?」
「ようやく折り返し、ですかね…持ち帰って研究できたらどれだけよかったか」
「できないことを言っても仕方ありません。今は急ぎましょう」
ダイヤモンドのような形のパーツの内部を弄っているリーナが言う。
「母さん、一体来たよ!」
「あぁくそ、すぐ行く!」
剣を抜いて駆け出すエクレール。
次から次へとやってくる巨兵たちの対応は、上空からの火力支援があっても総がかりだ。
「よりどりみどりだな、エク!」
「そっちは楽しそうだな、ファング!」
ちょうど一体の頭部の弱点を槍で刺し砕いたファングが、次の獲物に飛び移りながら怒鳴る。
「こっちに来てからは割と平和だったからなぁ!あとはアイツがいれば最高だったんだけどなぁ!」
「あいつ?」
「多分、バハムートだろう。ファングの召喚獣だ」
ルミナに答えながら、エクレールも跳躍する。
振るわれたアトラスの拳を避けると、その腕を駆けあがって弱点の頭部へすぐに到達した。
後に続いたルミナの銃撃でヒビが入ったコアを、エクレールが両断する。
すぐさま離脱して着地すると、アトラスはきれいさっぱり消え失せてしまう。
「…あとどれだけ来るか…」
「…父さんとリーナ次第?」
大きく息を吐くルミナを見て、エクレールが目を険しくする。
「…休めるときに休んでいろ」
「うん、わかった」
ルミナがホープの下に戻ると、そこにはエクスが水分補給をしながら座っていた。
「エクスも?」
「流石にな。レイン姉ほど体力馬鹿じゃない」
「そもそもお前たちは子供だからな。…子供も戦力に数えないといけない私たちの責任だ」
「気にしないでよ、母さん」
「そうだぞ。俺はともかく、レイン姉は好きでやってる。ルミナもだろ」
補給物資から取り出したドリンクを二人に渡すエクスに、ルミナが頷き返す。
「付き合ってくれてありがとね、エクス」
「二人だと危なっかしいからな」
肩をすくめる優しい幼馴染に、ルミナはクスクス笑った。
―――気を付けて―――
苦笑いしながら見ていたエクレールの耳に、そんな声が飛び込む。
ハッと見回すと、至近距離にアトラスが出現した。
「こいつ、制御装置を狙って…!?」
「リーナ、下がりますよ!」
「ですが!…きゃっ!?」
ホープに手を引かれるリーナのすぐそばに、アトラスの拳が叩きつけられた。
「制御装置が!」
二人の必死の作業が無に帰した瞬間だった。
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