第7章 反撃の狼煙

「大丈夫なのか?」
「少なくとも、ルシにされるリスクがある僕らが戦うよりは、いいんじゃないでしょうか…」
戦いの余波をスノウが防いでいる裏で、レインズとホープが言葉を交わす。
ルミナは、女神エトロの生まれ変わり。レインは一度シ骸にされ、ルミナの“奇跡”で治されている。
リーナに至ってはデミ・ファルシなので心配する意味もない。
あのバルトアンデルス相手に―――ファルシを相手に戦うということは、そういうことなのだ。
「…不甲斐ないな、私は。結局、無力なままだ」
「レインズ……」
「気にするな。俺もこっち側だ」
ブスッとした声の主は、エクスだ。
「というより、アレはリーナとレイン姉がつけるべき決着だろう。俺たちが手を出すのは野暮だ」
「そういうものかな?」
「言いたいことはわかる。あの子、いい顔してる」
ノエルが言ったのはリーナのことだ。ブーメランを片手にレインとルミナを支援している少女は、生き生きと声を張り上げている。
「…ノエル君も、絆されるの早くないですか?」
「ホープに言われたくはない」
二人は顔を見合わせた後、笑い合った。


「ぬぅっ……!」
バルトアンデルスが鈍く呻く。ルミナとレインの剣が突き刺さり、金属音をかき鳴らす。
「レイン姉!」「おうよ!!」
突き刺さった剣を跳ね上げ、二人はファルシの巨体を天に舞わせた。
「リーナ!」
二人の視線を受け、頷いたリーナが指を鳴らす。
「ぐおおおおっ!?」
宙に召喚された一対の触肢が、バルトアンデルスに突き刺さる。
「馬鹿な―――このような―――!」
「そのまま、果ててください!!」
リーナが魔法を発動する。黄金色の光が、バルトアンデルスを包む。
究極魔法、アルテマ。あらゆる防御を貫通する光がバルトアンデルスを文字通り消し飛ばした。
全てが終わった後には、蒼天だけが清々しく広がっていた。
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