第7章 反撃の狼煙

「……ルミナ、お前、何をした?」
エクレールが顔を引きつらせる。
「えっと………なんでこうなったんだろ?」
首を捻るルミナに、母はこめかみを押さえた。
微妙な空気が流れる中、顕れた少女がおずおずと手を上げる。
「あの、よろしければ私から説明しましょうか?」
「頼みます。えぇと…アダム、なんですよね?」
「はい。私がデミ・ファルシ=アダムで相違ありません」
肯定してみせる少女に、エクレールやレインズが険しい視線を投げる。
「で、あの時何が起きた?」
「はい。ルミナ様があの時行使した“奇跡”は、私をタイムトラベラーにするものです。セラさんやノエルさんがゲートを使えるようになった、あの奇跡ですね」
「何故、そのようなことを?」
今度の質問はルミナに向けられたものであったが、当の本人がまたも首を捻ったので、アダムが再び口を開く。
「タイムトラベラーは、それそのものはパラドクスに違いありません。しかし同時に、パラドクスを引き起こす―――あり得ざる歴史の存在を保証する存在にはなり得ません。同時に、かつて存在した歴史からも、放り出された存在となります」
全てのパラドクスが解消された後も、ノエルさんが消えなかったのはそのためですね。アダムの言葉に、ノエルが眉を顰める。
「質問。どこまで把握してる?」
「私が把握しているのは、『あの世界』のアカデミーで記録された事項と、“奇跡”の行使の瞬間にルミナ様から流し込まれた知識だけです。こちら側のことに関しては、ほとんどがルミナ様の主観による知識しかありません。例えばレインさんの背が高いのが羨m「わーーーーーっ!!!」きゃっ!?」
ルミナが途中で遮って飛び込んだ。
余計な事言わないでよ!余計でしたか?と口論する二人を尻目に、エクレールとレインズは思わず顔を見合わせた。
「……どうする、レインズ」
「…ひとまず、重要参考人として話を聞くことにしよう」
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