第5章 激震の世界

「ようこそ、皆様方。この度は対策本部へのご協力に感謝―――ってやめだやめ、笑いそうな顔するなよ」
ホープたちを出迎え、丁寧に頭を下げようとしたリグディが不機嫌そうな顔で手を振る。
「リグディさん、スノウが同じことして笑わない自信がありますか?」
「ないな、そりゃ。オーケー、俺の負けだ」
「俺を出しにするなよ、ホープ」
やいやいはしゃぐ大人たちに、ルミナはぽかんとしている。
「説明。俺たち、初対面なんだけど?」
「悪い悪い。俺はリグディ。向こうでは広域即応旅団…騎兵隊の隊員で、こっちではアカデミア警備軍所属だ」
「警備軍の?」
かつてはその一員だったエクレールが眉を顰める。
「俺たちがこっちに来たのは最近だからな。お前さんが知らないのはしょうがねぇよ」
「そうか…」
「俺“たち”、ですか?」
ホープが首を傾げる。
「おっと、それについては本部で話そうか。こっちだ」
くるりと返される背中に従って、ホープたちは歩き出す。


「久しぶりだな。そして、協力に感謝する」
「レインズ…!」
エクレールが驚きと共に呼ぶ。
「母さんたち、知り合い?」
「おう、コイツはレインズ。あっちでは騎兵隊の隊長で、コクーンを人の手に取り戻すっつって、俺たちに協力してくれてたんだ」
「尤も、その理想を当のファルシに知られて傀儡ルシにされた結果の行動だがね。今はこの対策本部の主だよ」
「なるほど、レインズさんならこの対応の早さも納得です」
大きなテーブルを囲む椅子に腰を下ろしながら、ホープは頷いた。
「さて、旧知を温めるのはほどほどにするとして…君たちが、混沌カオスから帰還したという子供たちだね?」
「うん、ルミナだよ」「エクスです」「レインだ、よろしくなおっさん」
おっさん呼ばわりのレインをエクスがはたく。
「ホープ君の話では、君らも参加すると聞いている。そのことに異論はないね?」
三人は顔を見合わせ、頷き返した。
「よろしい。であれば、我々は君らの存在が外に漏れないように尽力すると約束しよう。それがホープ君との約束でもあるし、私としても現代の魔法使いマジックユーザーの存在があのパージのようなことを引き起こすのは本意ではないからね」
「助かります」
ホープが頭を下げる。
「それで、状況は?」
「それを話す前に、これを見てもらおう」
レインズが指を弾く。
彼の前に現れる半透明の障壁に、全員が目を見開く。
それはホープやノエルがかつて得意とした『プロテス』の魔法に似て―――
「マジック=ギア、ですか!?」
「ご名答だ、セラ君」
その正体を言い当てたセラに、レインズは頷いた。
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