序章 貴女のための物語
「……本当によかったの?」
混沌の淵から旅立つ魂を見送って、銀髪の少女が振り返る。
「構わん。必要なことだ」
鼻を鳴らして応じた紫髪の大男は、見送ることすらせず歩きだしていた。
「そう…」
それ以上問う事はせず、少女は男の後を追う。
「お前こそどうなのだ、ユール」
「私?」
足を止めた男に見降ろされ、ユールと呼ばれた少女は首を傾げた。
「私は、別に。貴方といれさえすればそれでいいもの」
「…そうか」
「他の“私”も、きっとそうだわ」
その言葉を最後に、二人の姿はその場から消える。
残った静寂は、直ぐに混沌に溶けていった。
混沌の淵から旅立つ魂を見送って、銀髪の少女が振り返る。
「構わん。必要なことだ」
鼻を鳴らして応じた紫髪の大男は、見送ることすらせず歩きだしていた。
「そう…」
それ以上問う事はせず、少女は男の後を追う。
「お前こそどうなのだ、ユール」
「私?」
足を止めた男に見降ろされ、ユールと呼ばれた少女は首を傾げた。
「私は、別に。貴方といれさえすればそれでいいもの」
「…そうか」
「他の“私”も、きっとそうだわ」
その言葉を最後に、二人の姿はその場から消える。
残った静寂は、直ぐに混沌に溶けていった。