第3章 運命の対峙
「小父様にも初めて話すんだけどね…私、夜眠るとヴァルハラに行けるのよ」
「そこであの子たちに会ったと、そういうことですね?」
代表して確認したホープに、チョコリーナは軽やかに頷いた。
「あの子たちは、無事?」
「無事………んー、今のところは大丈夫そう?」
とても難しい顔をしたチョコリーナに、ユールの顔が青くなる。
「…説明。詳しく聞かせてくれ」
「えぇ。あの子たちが混沌 に呑まれて行方不明って話を小父様に聞いてから、このチョコリーナは夢の中でヴァルハラを駆け巡って探していたわけなのよ」
「それで昨日の夜見つけたから、こうして急いで報せに来てくれたの?」
「それだけならこんなに焦らないわよ」
チョコリーナが珍しく―――本当に珍しく、嫌悪感をむき出しにする。
「小父様やライト…じゃなかった、エクレールたちは覚えてるわよね?あのにっくきガレンズ・ダイスリーのこと」
「あいつが?」
スノウまで顔を険しくする。
「なんであいつがヴァルハラくんだりにいるんだよ?」
「それは私に聞かれても知りませーん。私が見たのは、あいつが消えるところと、レインちゃんがシ骸になりかけてたのと―――」
ガタッと大きな音がして、スノウが慌てて立ち上がる。セラが椅子から崩れ落ちたからだ。
「―――それをルミナちゃんが“奇跡”で癒したところよ」
今度は、ホープとエクレールの顔がはっきりと固まった。
「“奇跡”―――女神の奇跡、ですか?」
「ええ。私もこの身で受けたんだからわかるわよ。間違いなく、あれはエトロの印だったわ」
チョコリーナの言葉に、スノウが首を捻る。
「それをあの子が…?」
「僕も正直、何が何やら…」
ホープも困惑して首を捻っている。
「ヴァルハラに落ちたことで、あの時のセラみたいにエトロの力が……いや、女神はもういないはずだよな?」
ノエルまで首を傾ける。その様子に女性陣は顔を見合わせた。
「カイアスが何かしたのかな?」
「あ、それはあり得なくもないわ。エクス君が彼の大剣を持ってたし」
「それはないだろう。女神が与えた力に振り回されたあいつが、軽々しくその力を他者に与えるとは思えないな」
「……あれ?」
セラが何か気づいたように眉を顰める。
「どうした、セラ?」
「スノウ、ダイスリーって、コクーンを墜とさせようとしたファルシの親玉だよね?」
「ああ、私たちも旅の道中で散々手こずらされた」
「なんで義姉さんが答えるんだよ…」
スノウのジト目をものともしないエクレールに苦笑いして、セラが続ける。
「そんな奴を、カイアスが放置するとは思えないの」
「同感。あいつはそんなのを…特に、ユールがいる場所でのさばらせる奴じゃない」
傍らのユールもノエルの言葉に頷く。
「けど、現実にはその暗躍を許してんだろ?ってこたぁ、なんだ?」
「……他にカイアスがかかりきりになるような相手がいる、とか」
「あの、カイアスが?」
全員が口を噤む。カイアスをかかりきりにし、バルトアンデルスを従えるような者―――心当たりはあるが、まさかという思いが強い。
「……考察は後にしよう。それで、その後は?」
「レインちゃんが気を失ってたから、私の背に乗せて運んだわ。モーグリの里なら、オーディンが守ってるから大丈夫」
「あいつがか!そうか……」
かつての相棒の名を聞いてエクレールの顔がほころぶ。子供たちが行方不明になってから数日、初めて安堵の空気がノラハウスに流れた。
「オーディンがいるなら安心ですね」
「ひとまずはってとこか…あの子たちと話はできたのか?」
「あー…」
チョコリーナが気まずそうに苦笑いをする。
「えっと、私ね?夢の中でヴァルハラに行けるとは言ったけど…あっちでは私、チョコボなの」
「……なるほど。それは仕方ありませんね…」
「でも、モーグリの里には着いたから!今日私がまた向こうに行ったら、モーグリと話をするように伝えてもらったから!」
落胆するホープを励ますようにチョコリーナがドヤ顔で胸を張る。
その様子に、セラとノエル、そしてサッズとエクレールは微笑を浮かべた。
「そこであの子たちに会ったと、そういうことですね?」
代表して確認したホープに、チョコリーナは軽やかに頷いた。
「あの子たちは、無事?」
「無事………んー、今のところは大丈夫そう?」
とても難しい顔をしたチョコリーナに、ユールの顔が青くなる。
「…説明。詳しく聞かせてくれ」
「えぇ。あの子たちが
「それで昨日の夜見つけたから、こうして急いで報せに来てくれたの?」
「それだけならこんなに焦らないわよ」
チョコリーナが珍しく―――本当に珍しく、嫌悪感をむき出しにする。
「小父様やライト…じゃなかった、エクレールたちは覚えてるわよね?あのにっくきガレンズ・ダイスリーのこと」
「あいつが?」
スノウまで顔を険しくする。
「なんであいつがヴァルハラくんだりにいるんだよ?」
「それは私に聞かれても知りませーん。私が見たのは、あいつが消えるところと、レインちゃんがシ骸になりかけてたのと―――」
ガタッと大きな音がして、スノウが慌てて立ち上がる。セラが椅子から崩れ落ちたからだ。
「―――それをルミナちゃんが“奇跡”で癒したところよ」
今度は、ホープとエクレールの顔がはっきりと固まった。
「“奇跡”―――女神の奇跡、ですか?」
「ええ。私もこの身で受けたんだからわかるわよ。間違いなく、あれはエトロの印だったわ」
チョコリーナの言葉に、スノウが首を捻る。
「それをあの子が…?」
「僕も正直、何が何やら…」
ホープも困惑して首を捻っている。
「ヴァルハラに落ちたことで、あの時のセラみたいにエトロの力が……いや、女神はもういないはずだよな?」
ノエルまで首を傾ける。その様子に女性陣は顔を見合わせた。
「カイアスが何かしたのかな?」
「あ、それはあり得なくもないわ。エクス君が彼の大剣を持ってたし」
「それはないだろう。女神が与えた力に振り回されたあいつが、軽々しくその力を他者に与えるとは思えないな」
「……あれ?」
セラが何か気づいたように眉を顰める。
「どうした、セラ?」
「スノウ、ダイスリーって、コクーンを墜とさせようとしたファルシの親玉だよね?」
「ああ、私たちも旅の道中で散々手こずらされた」
「なんで義姉さんが答えるんだよ…」
スノウのジト目をものともしないエクレールに苦笑いして、セラが続ける。
「そんな奴を、カイアスが放置するとは思えないの」
「同感。あいつはそんなのを…特に、ユールがいる場所でのさばらせる奴じゃない」
傍らのユールもノエルの言葉に頷く。
「けど、現実にはその暗躍を許してんだろ?ってこたぁ、なんだ?」
「……他にカイアスがかかりきりになるような相手がいる、とか」
「あの、カイアスが?」
全員が口を噤む。カイアスをかかりきりにし、バルトアンデルスを従えるような者―――心当たりはあるが、まさかという思いが強い。
「……考察は後にしよう。それで、その後は?」
「レインちゃんが気を失ってたから、私の背に乗せて運んだわ。モーグリの里なら、オーディンが守ってるから大丈夫」
「あいつがか!そうか……」
かつての相棒の名を聞いてエクレールの顔がほころぶ。子供たちが行方不明になってから数日、初めて安堵の空気がノラハウスに流れた。
「オーディンがいるなら安心ですね」
「ひとまずはってとこか…あの子たちと話はできたのか?」
「あー…」
チョコリーナが気まずそうに苦笑いをする。
「えっと、私ね?夢の中でヴァルハラに行けるとは言ったけど…あっちでは私、チョコボなの」
「……なるほど。それは仕方ありませんね…」
「でも、モーグリの里には着いたから!今日私がまた向こうに行ったら、モーグリと話をするように伝えてもらったから!」
落胆するホープを励ますようにチョコリーナがドヤ顔で胸を張る。
その様子に、セラとノエル、そしてサッズとエクレールは微笑を浮かべた。