第2章 幽玄の戦禍

「そろそろ休むか?」
大欠伸を漏らしたルミナに、エクスが言う。
「まだ行けるよ…多分」
頬を掻いて言う少女に、レインがダメだこりゃ、と肩をすくめる。
「無理すんな。寝れる時に寝とけ」
「昼夜も怪しいからな、ここ。俺が見張っておくから、まずは二人が休んでくれ」
「わかった………」
瓦礫の傍、守りやすそうな場所に位置取り、ルミナは横になるとすぐに寝息を立て始めた。
「エクスよぉ」
「レイン姉も休んどいてくれ。盾がいなくなるのはキツい」
「オイ、一応あたしだって乙女なんだが?」
「でも一番大人だろ」
エクスの言葉に、レインは瞬きをしてから照れて顔をそむけた。
「で、なんだ」
「おう…この調子ならどのくらいかかりそうだ?」
「…今日のペースなら、長くて半月ってとこだな」
「まぁじか。お袋、心配で倒れねぇかな?」
「セラ小母さんはああ見えて気丈な人だからな。俺の母さんの方が心配だ」
「そっちもいたなぁ…ノエルさんが支えてくれてりゃいいが」
腕を組んで唸っていると、エクスが視線で早く休んでろと訴えるので、早々に降参して休むことにするレイン。
「へいへい。…襲うなよ?」
「誰が」
応えてから舌打ちする。間違えた。
「ませやがってよ…じゃ、おやすみ」
ごろりと寝転がり、丸くなったルミナを包むように身を丸めるレインを一目見やってから、エクスは無彩の景色へ視線を移した。
「……どっちがませてんだか」
溜息を零して、夜とも昼とも知れない時間は過ぎていく―――
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