第2章 幽玄の戦禍

「しっかし、こいつら節操ねぇな」
「節操ないって?」
幾度目かの異形を退けたレインがぼやく。
「獣になめくじ、虫が来たかと思えばドロドロの奴もいるし、大きさだってピンキリときた。終いにゃアレだ」
「アレ?」
ルミナが首を傾げる。
「アイツだよ、おちょくるだけおちょくって逃げやがったサボテン野郎だ!」
「サボテンダー?」
「名前までふざけてやがるなぁ!?」
クッソ、腹立つ。石ころを蹴飛ばしたレインが毒づくのを尻目に、エクスが首を傾げた。
「なんで、アイツの名前を知ってるんだ?」
「ドッジ兄がぬいぐるみをくれたんだよ。……なんでここにその姿の奴がいるのかは、知らないけど」
「ドッジ兄が?アイツを知ってたのか…」
眉を顰めるエクスに、ルミナは首を横に振る。
「知ってたのは、サッズ小父さんの方だと思う。なんか、今のレイン姉みたいな反応してて、父さんと母さんが笑ってたから」
「いい土産話ができたって思っとくかぁ」
諦めの溜息を吐いたレインが、頭を掻く。
「駄弁るのはこの辺にして、そろそろ行くぞ」
「へいへい、エクスは真面目だよなぁ。ルミナも行くぞぉ」
「はーい!」
呼ばれたルミナは、慌てて拾っていた小さなクリスタルをポケットにねじ込んで、駆け出した。
紫の妖しい輝きを宿したそれは、暗いポケットの中で満足そうに瞬いた。
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