第2章 幽玄の戦禍

「ってぇ…くねぇな?」
一斉に飛び掛かった獣たちは、レインが纏った黄金色のオーラに弾かれた。
「レイン姉、それは?」
「知るかよ!ルミナはなんか知らねぇ!?」
「知らないよ!!」
怒鳴り返しながら、ルミナもまた飛び掛かってきた獣に手を突き出す。
それに呼応するように稲妻が獣を貫き、ルミナは剣で追撃してその身体を吹き飛ばした。
「御伽噺の魔法みたいだな」
「冷静に言ってるが、お前今結構情けないからな?」
レインに言われてエクスは黙り込んだ。
レインは素手で獣と渡り合っているが、生憎と自分はそこまで“無駄に”頑丈ではない。
「使って」
「誰だ!?」
声に振り返ったエクスの前にいたのは、大剣を携えた少女―――だが、その姿はあまりにも彼の知る人物に似通っていた。
「母さん……?」
「……私は貴方たちのユールではない。危地を脱するための武器を、彼に代わって届けに来た」
使って。そう繰り返して、少女は傍らに突き立てられた禍々しい大剣を見上げた。
「……後で話、聞かせてくれよ!」
「私たちは神殿で待っている。話は、その時」
そう言い残して姿を消す少女。
エクスは舌打ちして、突き立てられた大剣を逆手に引き抜いて構えた。
「……何が何やら、だなこりゃ」
「色々ありすぎて頭がいっぱいだ。考えるのは後にしよう」
「そうしよ、私もうこんがらがっちゃった」
三人は武器を構え、獣の群れを蹴散らしに飛び出した。
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