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「恨ミ…」「復讐」「僕ラハ」「ソノ為ニ契約スル」
「それじゃ、負の連鎖が続くだけじゃない…」
そんなことをしてもこの子たちは晴れない。永遠に続く呪いのように。
「違ウ」「僕ラノ恨ミデハナイ」「人間ノ恨ミヲ」「失クス為ニ」
人間の恨みや復讐などが元で被害者を出さない様に。
自分たちと同じ痛みや苦しみに合わないように。
「ボクラハ」「ソノ為ニ」「存在シ」「遣ワサレテイル」
「本当にできるの?」
疑問だった。私はいつも確証のないことは疑うタチだ。本当はただ自由が欲しくて私の身体を利用するだけかもしれない。なぜか私はその想いとは別に信じたいという気持ちが勝っていた。
過去に傷みや苦しみを受けたこの双子が嘘をついているように見えなかった。淡々と苦い思い出を話してくれるその二人の目は悲しそうだった。助けてくれと言わんばかりだった。
「「信ジテ」」
「わかった。契約しましょ。あなたたちの未来と未来を救うために」
「「契約完了。サァ、目覚メノ時」」
──────────────────
チュンチュン
もう朝か……。
ベッドから身体を起こして窓を見る。青空が広がっていた。
モヤモヤが晴れたことを表しているような空模様だった。
枕元の時計を見る。時刻は日曜の午前10時頃だった。
夢で話した事は本当なのだろうか…。あの双子や契約の事。もし、本当ならば、未来が入院している病院にいけば、答えはわかる。
私は急いで服に着替え、病院に向かった。
未来、目を覚ましていて…。
ウィン
「あの!鈴村未来さんの病室は…!」
私は受付の看護婦さんに聞き、病室に向かった。
ガラ
勢いよく病室のドアを開けるとその部屋の奥に未来の姿がいた。
私は未来に駆け寄った。見るとまだ未来は眠っているようだ。
すると、未来が目を開けた。
「…ん」
「未来…!」
「…あれ、実夢どうしたの…?」
「今まで眠ってたんだよ…?」
未来は私の顔を見て不思議そうにしていた。
「今までってどういうこと?しかも、病院ってどういうことなの…?」
未来が顔面蒼白になった。
私は今まで未来にどんなことが起きてここにいるのかを説明した。
「まさか、私にそんなことが…」
「でも、こうして目が覚めたことだし、本当によかったよ…」
その後、私と未来は他愛もない話をし、病院を後にした。
帰り道は歩いて帰った。
未来、本当に目が覚めてたんだ。よかった、本当に。
『本当ニヨカッタネ。実夢』『願イ叶ッタネ』
「え?もしかして……天使くんと悪魔ちゃん?」
『契約ダカラ』『モウ実夢ノ中ニイル』『コレカラヨロシクネ』
「ほ、本当に契約したんだ…」
『ソウダヨ』『未来モ元気ダッタデショ』
どうやら、あの夢は本当だった。未来が眠りから覚め、私の中に天使くんと悪魔ちゃんが憑依しているという事実。
双子と話していると、私は周囲に視線を向けられていることに気づいた。
もしかして、私が独り言言っているように聞こえているのか…?
『ボク達ノ声ハ』『周リニハ聴コエナイ』『実夢ダケガ聴コエル』
外では話せない。
私は双子と小声で話しながら帰宅した。
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