夢
夢でみたあの真っ白な空間、そして悪魔ちゃんと天使くんという謎の双子。
自由にしてくれるなら未来を助けてくれるということだったが、どういうことなんだろうか……。
学校の授業を受けながらずっと考えていた。
────────────────────────
放課後。
今朝、未来のお母さんから連絡があり、今日は未来を連れて総合病院で検査入院をしているらしい。
下校途中で未来が検査入院しているという病院に向かった。バスで行くと学校から15分程で到着する場所にある。
学校の目の前にバス停があるので、そこでバスが来るまで待機することにした。
しばらく待っていると、中田が話しかけてきた。
「よお、山本」
「あ、中田」
「元気?」
「それ、昨日も言ってたじゃん。口癖?」
私は少しからかいながら言った。
「ちげえよ。今日もやっぱり元気ないっつうか、変な考え事してたろ」
「あー、バレた?」
「そりゃバレるよ。二年いたらそれぐらい気づくよ」
そんなに私って表情出てたのかな…。
ブロロロ…
たわいのない話をしているとバスがやってきた。
「今日はバスで帰るのか?」
「いや、今日は未来のお見舞い行ってくるだけだよ」
「そっか。よろしく言っといてくれ。」
「じゃ、また明日ね」
「おう」
バスに乗って、中田に手を振る。
15分後、病院前のバス停に到着した。バスを降り、病院へ向かう。スマートフォンで未来のお母さんに電話する。
プルル
『もしもし』
「もしもし、未来のお母さんですか?」
『あら、実夢ちゃんじゃない。どうしたの?』
「今日、未来が検査入院してる病院に行こうと思って」
『病院の1階に来て』
「わかりました」
そう電話でやり取りした後、病院の1階に向かい、待合室の椅子に座って未来のお母さんの到着を待った。
数分後、エレベーターから未来のお母さんが出てきたのが見えた。私は椅子から立ち、未来のお母さんを迎える準備をした。
「あら、実夢ちゃん。お待たせ」
「いきなりですみません。未来の様子が知りたくて…」
「そうね。私も同じ気持ちよ」
「もうすぐ検査結果が出るのよ。一緒に聞いてくれる?」
「いいですよ」
朝から検査してたみたいだけど、夕方の今になって結果がわかるのか。逆にちょうどよかったのかもしれない。
「鈴川さん。鈴川未来さん、第一診察室にお越しください」
病院のアナウンスが鳴る。
私と未来のお母さんは第一診察室へ向かう。
ガラ
目の前にいるのが恐らく医師だろう。
「どうぞおかけください。鈴川未来さんのお母様でいらっしゃいますね?」
「はい。未来は何かの病気なのでしょうか」
私は未来のお母さんの隣にある丸椅子に座る。ふと、気になって隣を見ると、そこには子を心配する母親の顔があった。当然だ。娘がずっと眠りから覚めないのだから。
「特に異常はありませんね。心臓器系や呼吸器系なども正常です」
「でも、揺すっても起きないんですよ?なにか原因が…」
「そうですね。現在の医療では眠りから覚めないという症状は、睡眠障害が原因と考えるしかないですね。」
やっぱり睡眠障害を疑うんだな…。
医者だったら科学的根拠などなどを考えるから妥当だろう。
「未来さんは、幼い頃から何十時間も眠り続けるなどの睡眠障害はありましたか?」
未来のお母さんがうるうるとした目で答える。
「いいえ、ありません。特にこれといって持病や先天性の病気があるわけではなかったので」
私も知る限り、未来には持病持ちなどを聞いたことがない。いたって普通の子だ。
総合的に見て、医師からの診察結果は『特に異常なし』だった。私の中では、もう疑うしかなかった。
あの『薬』を。
自由にしてくれるなら未来を助けてくれるということだったが、どういうことなんだろうか……。
学校の授業を受けながらずっと考えていた。
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放課後。
今朝、未来のお母さんから連絡があり、今日は未来を連れて総合病院で検査入院をしているらしい。
下校途中で未来が検査入院しているという病院に向かった。バスで行くと学校から15分程で到着する場所にある。
学校の目の前にバス停があるので、そこでバスが来るまで待機することにした。
しばらく待っていると、中田が話しかけてきた。
「よお、山本」
「あ、中田」
「元気?」
「それ、昨日も言ってたじゃん。口癖?」
私は少しからかいながら言った。
「ちげえよ。今日もやっぱり元気ないっつうか、変な考え事してたろ」
「あー、バレた?」
「そりゃバレるよ。二年いたらそれぐらい気づくよ」
そんなに私って表情出てたのかな…。
ブロロロ…
たわいのない話をしているとバスがやってきた。
「今日はバスで帰るのか?」
「いや、今日は未来のお見舞い行ってくるだけだよ」
「そっか。よろしく言っといてくれ。」
「じゃ、また明日ね」
「おう」
バスに乗って、中田に手を振る。
15分後、病院前のバス停に到着した。バスを降り、病院へ向かう。スマートフォンで未来のお母さんに電話する。
プルル
『もしもし』
「もしもし、未来のお母さんですか?」
『あら、実夢ちゃんじゃない。どうしたの?』
「今日、未来が検査入院してる病院に行こうと思って」
『病院の1階に来て』
「わかりました」
そう電話でやり取りした後、病院の1階に向かい、待合室の椅子に座って未来のお母さんの到着を待った。
数分後、エレベーターから未来のお母さんが出てきたのが見えた。私は椅子から立ち、未来のお母さんを迎える準備をした。
「あら、実夢ちゃん。お待たせ」
「いきなりですみません。未来の様子が知りたくて…」
「そうね。私も同じ気持ちよ」
「もうすぐ検査結果が出るのよ。一緒に聞いてくれる?」
「いいですよ」
朝から検査してたみたいだけど、夕方の今になって結果がわかるのか。逆にちょうどよかったのかもしれない。
「鈴川さん。鈴川未来さん、第一診察室にお越しください」
病院のアナウンスが鳴る。
私と未来のお母さんは第一診察室へ向かう。
ガラ
目の前にいるのが恐らく医師だろう。
「どうぞおかけください。鈴川未来さんのお母様でいらっしゃいますね?」
「はい。未来は何かの病気なのでしょうか」
私は未来のお母さんの隣にある丸椅子に座る。ふと、気になって隣を見ると、そこには子を心配する母親の顔があった。当然だ。娘がずっと眠りから覚めないのだから。
「特に異常はありませんね。心臓器系や呼吸器系なども正常です」
「でも、揺すっても起きないんですよ?なにか原因が…」
「そうですね。現在の医療では眠りから覚めないという症状は、睡眠障害が原因と考えるしかないですね。」
やっぱり睡眠障害を疑うんだな…。
医者だったら科学的根拠などなどを考えるから妥当だろう。
「未来さんは、幼い頃から何十時間も眠り続けるなどの睡眠障害はありましたか?」
未来のお母さんがうるうるとした目で答える。
「いいえ、ありません。特にこれといって持病や先天性の病気があるわけではなかったので」
私も知る限り、未来には持病持ちなどを聞いたことがない。いたって普通の子だ。
総合的に見て、医師からの診察結果は『特に異常なし』だった。私の中では、もう疑うしかなかった。
あの『薬』を。