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災い

宿題の手を止め、私は勉強机に置いていたスマートフォンに手を伸ばす。画面を開いて検索アプリを起動した。検索欄に慣れた手つきで画面をタップする。
『DREAMS 夢見薬』っと。検索結果はかなりあった。公式通販サイトやつぶやきアプリの検索結果、購入者のレビューなど様々だった。その中で気になった記事があった。
『ウワサの薬、買ったった!』
URLをクリックすると、ページが開いた。そのページは購入者によるレビュー、口コミだった。こう記載されていた。
『ウワサの薬、DREAMS薬の効果は絶大!』
『薬の効果が効きすぎて寝坊者続出!』
『服用回数、一回に必要以上に服用すると一生眠ったまま説』
『18歳未満服用すると謔ェ螟「繧定ヲ九※縺励∪縺?悛繧翫°繧芽ヲ壹a繧九%縺ィ縺ッ縺ェ縺』
最後の文は大事な部分が文字化けしていて読めなかった。でも、すごく嫌な予感がする。未来は大丈夫かな……。
そうだ、未来に連絡してみよう。
検索アプリを終了し、チャットアプリを起動した。
未来のチャットルームでフリック操作を行い連絡をした。
「やっほー未来!」
数分して未来の既読がついた。
「実夢じゃん、どうしたの?」
「今なにしてた?」
「今は風呂上りでテレビ見てる~」
未来はまだ寝ていないらしい。よかった。
「そっか」
「実夢、いきなりすぎてびっくりしたよ~。今日の帰りまだ話したらなかった?(笑)」
「ちょっとは気になってはいるけど…」
「調べた?」
「一応、調べたけど…、ちょっと怖いかな」
いつも通り、帰り道の話についてやテレビ番組の話、宿題についてなどチャットで話した。
「実夢、もうそろそろ眠くなってきちゃった。また明日ね」
「わかった。おやすみ」
未来におやすみを告げてチャットを終了した。
途中まで行っていた宿題を終わらせてからベッドに入ることにした。

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翌朝。
眠い目をこすりながら、リビングに降りた。
テレビにはニュース番組が放送されていた。
「おはようございます。今日のニュースをお伝えします」
天気予報や音楽アーティストの人気ランキング、服の流行などなど様々なカテゴリーを放送していて、私が好きな朝の番組の一つだ。
そんな好きなニュース番組を見ながら朝食をとる。
朝は目玉焼きサンドとカフェオレ。私はささっと朝食を済ませ、学校に行く支度をした。
「いってきます」
家を出て、未来との待ち合わせ場所に向かう。昨日別れたあの分かれ道。
毎朝の待ち合わせの場所に着く時間はだいたいギリギリ。いつもは未来が先に着いていた。
しかし、そこに未来の姿はなかった。おかしい。寝坊なのかな。少し嫌な気持ちもあったが、未来にチャットを送った。
未来のチャットルームへ。
「おはよう、未来。待ち合わせ場所に来てないみたいだけど、どうしたの?」
いつもならすぐ既読が着くのに今はずっと既読がつかない。
「未来、返事して。」
「寝坊したの?」
思わず、チャットを連投してしまった。
5分経っても10分経っても未来は待ち合わせ場所に来なかった。
再び未来のチャットルームでチャットを送った。
「未来、もう遅刻しちゃうから行くね」
スマートフォンを閉じて、学校へ急いだ。
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