契約
ガチャ
「ただいま」
私は商店街を後にして、帰宅した。
すっかり日も沈み、そろそろ夕飯の時間になっていた。
私がリビングに入ると夕食の準備がされていた。
「実夢おかえり。今日はおでかけ?」
「うん。未来のお見舞いに行ってきたんだ」
「どうだったの?」
お母さんは神妙な面持ちで私を見た。
『ボク達ノコトハ秘密』
「すっかり元気になってたよ」
「ほんと、よかった」
天使くんは私に契約のことは内緒だと釘を刺した。恐らくは、身バレか私が信用ならないという証拠なのだろう。
もしくは、私の魂がアチラ側へ行くかのどれかだ。
「さ、夕飯にしましょ」
お母さんの号令で夕食をとることにした。
今日の夕食は、煮込みハンバーグとスパゲッティサラダだった。私の大好物を作ってくれたようだ。
私は勢いよくハンバーグと白飯を口に運んだ。次にハンバーグの隣に添えてあったブロッコリーや目玉焼きを口に運んで、コップに入っていたお茶を飲んで一気に流し込む。空っぽだった胃袋がみるみるうちに満たされていく。
いつもはこんなバカ食いをしない私を見てお母さんが驚いた顔をしていた。
「実夢、どうしたの…?!!」
『バカ食イシ過ぎ』『実夢ハ面白イ』
「あー…、すごくお腹、減っちゃって…」
額に冷や汗が流れる。
いつもならこのぐらいでもうごちそう様って言うんだけど、三人分の食事量となるとそうはいかない。
私はご飯をおかわりしにキッチンへ。いつも食べる倍以上の量の白米を自分の茶碗に盛った。そして再び席に着いた。今度はスパゲッティサラダに手を伸ばす。これも、いつもの倍以上の量を平らげた。
『『オ腹イッパイ』』
私のお腹もはちきれそうだ。
「ごちそうさま」
お母さんにそう告げ、キッチンに汚れた食器を持っていき、自室に向かった。
──────────────────
バタン
「もしかして、毎日この量食べないといけないの?」
私は双子に聞いた。
『ソウダヨ』『ガンバレ』
少し青ざめた顔をしてベッドに横たわった。
今日は色々あったな。未来も目覚めて、同じ制服の女子高生に出会って。
『明日ハモット沢山大変なコトガ起キルヨ』
その言葉を最後に私は眠りに落ちてしまった。
──────────────────
『実夢』『実夢!』
ん…。
ジリリと目覚まし時計が鳴り響く。スマートフォンを見ると、今日は月曜日。学校に行く日だった。
私は制服に着替え、朝食を済ませて家を出た。
『昨日会ッタ女子高生ハコノ道ヲ通ル』
『キット今日モ暗イ顔ヲシテイル』
しばらく歩くと横断歩道に差し掛かった。そこで信号待ちをしていたのはあの女子高生だった。
私が声をかけようとしたその瞬間。
『ワタシニ任セテ。チョット身体借リルネ』
そう言ったのは悪魔ちゃんだった。私は承諾し、悪魔ちゃんが憑依した。
「ねえ、君」
彼女の肩にポンと手を乗せ、彼女はそれに気づき後ろを振り返った。
「はい。…またあなたですか…」
あきれた顔をして彼女は言った。
「昨日はいきなり驚かせちゃってごめんね」
「…いえ。私も昨日はむしゃくしゃしていたのでお互い様です」
彼女は相変わらず目線を落とし話していた。
「そうそう、あなたの制服私が通っているところと同じだったからこの道にいるかもって」
「…私と同じ高校だったんですね。どのクラスですか?」
『2年C組!』
「2年C組!」
「そうだったんですね。それでは、私の下級生ですね。私は3年B組なので。」
今発覚したことなのだが、彼女は3年生だった。つまりは、私の高校の上級生ということだ。
「ずっと名乗らないのも失礼ですから。私は、木村楓と申します」
私は今まで2年間高校生活をしてきて、そんな名前の上級生は聞いたことがなかった。
「ただいま」
私は商店街を後にして、帰宅した。
すっかり日も沈み、そろそろ夕飯の時間になっていた。
私がリビングに入ると夕食の準備がされていた。
「実夢おかえり。今日はおでかけ?」
「うん。未来のお見舞いに行ってきたんだ」
「どうだったの?」
お母さんは神妙な面持ちで私を見た。
『ボク達ノコトハ秘密』
「すっかり元気になってたよ」
「ほんと、よかった」
天使くんは私に契約のことは内緒だと釘を刺した。恐らくは、身バレか私が信用ならないという証拠なのだろう。
もしくは、私の魂がアチラ側へ行くかのどれかだ。
「さ、夕飯にしましょ」
お母さんの号令で夕食をとることにした。
今日の夕食は、煮込みハンバーグとスパゲッティサラダだった。私の大好物を作ってくれたようだ。
私は勢いよくハンバーグと白飯を口に運んだ。次にハンバーグの隣に添えてあったブロッコリーや目玉焼きを口に運んで、コップに入っていたお茶を飲んで一気に流し込む。空っぽだった胃袋がみるみるうちに満たされていく。
いつもはこんなバカ食いをしない私を見てお母さんが驚いた顔をしていた。
「実夢、どうしたの…?!!」
『バカ食イシ過ぎ』『実夢ハ面白イ』
「あー…、すごくお腹、減っちゃって…」
額に冷や汗が流れる。
いつもならこのぐらいでもうごちそう様って言うんだけど、三人分の食事量となるとそうはいかない。
私はご飯をおかわりしにキッチンへ。いつも食べる倍以上の量の白米を自分の茶碗に盛った。そして再び席に着いた。今度はスパゲッティサラダに手を伸ばす。これも、いつもの倍以上の量を平らげた。
『『オ腹イッパイ』』
私のお腹もはちきれそうだ。
「ごちそうさま」
お母さんにそう告げ、キッチンに汚れた食器を持っていき、自室に向かった。
──────────────────
バタン
「もしかして、毎日この量食べないといけないの?」
私は双子に聞いた。
『ソウダヨ』『ガンバレ』
少し青ざめた顔をしてベッドに横たわった。
今日は色々あったな。未来も目覚めて、同じ制服の女子高生に出会って。
『明日ハモット沢山大変なコトガ起キルヨ』
その言葉を最後に私は眠りに落ちてしまった。
──────────────────
『実夢』『実夢!』
ん…。
ジリリと目覚まし時計が鳴り響く。スマートフォンを見ると、今日は月曜日。学校に行く日だった。
私は制服に着替え、朝食を済ませて家を出た。
『昨日会ッタ女子高生ハコノ道ヲ通ル』
『キット今日モ暗イ顔ヲシテイル』
しばらく歩くと横断歩道に差し掛かった。そこで信号待ちをしていたのはあの女子高生だった。
私が声をかけようとしたその瞬間。
『ワタシニ任セテ。チョット身体借リルネ』
そう言ったのは悪魔ちゃんだった。私は承諾し、悪魔ちゃんが憑依した。
「ねえ、君」
彼女の肩にポンと手を乗せ、彼女はそれに気づき後ろを振り返った。
「はい。…またあなたですか…」
あきれた顔をして彼女は言った。
「昨日はいきなり驚かせちゃってごめんね」
「…いえ。私も昨日はむしゃくしゃしていたのでお互い様です」
彼女は相変わらず目線を落とし話していた。
「そうそう、あなたの制服私が通っているところと同じだったからこの道にいるかもって」
「…私と同じ高校だったんですね。どのクラスですか?」
『2年C組!』
「2年C組!」
「そうだったんですね。それでは、私の下級生ですね。私は3年B組なので。」
今発覚したことなのだが、彼女は3年生だった。つまりは、私の高校の上級生ということだ。
「ずっと名乗らないのも失礼ですから。私は、木村楓と申します」
私は今まで2年間高校生活をしてきて、そんな名前の上級生は聞いたことがなかった。