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はじまりの物語

「さあ、どうする坊や」
「………」
今までの生活…。母さんがいて、父さんがいて、ヴァネッサがいて……。でも、それは突如として壊れた。幸せに包まれて中学を卒業して。次の瞬間、村中が皆殺しの火の海で。ヴァネッサの敵はとりたいけど、僕は何の事件もなく人生を終わらせたいと思っていた。
今までは。
でも、それだけじゃいけないって気づいた。平和に過ごしたいよりも、母さんやヴァネッサの命を奪ったやつが許せないという感情が強くなっていった。
大事な人たちだから。
「おじさん」
「お…?答えは出たか」
「僕、やります」
僕は決意した。ヴァネッサと母さんの敵、それだけを糧に生きる。
「友人と家族の敵をとりたいんです。それだけのために明日を生きます」
「いい想いを聞かせてもらったぞ、坊や」
そう言って、廃村と化した生まれ育ったモーリス村をあとにした。
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