中編 地味子がアイドルやってるなんて知らない
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ナマエside
私のクラスメイトが公演に来てから早1ヶ月が経った。
あれから斉木くんを劇場で見かけることはないけれど、─知り合いに見られるというのは緊張するので─ちょっとお客さんの中にいないか探している自分がいる。でもいなければいないで気になってる私がいるのも事実だ。
そして教室での行動も時々後ろから見ている。席の周りにお友達?がよく集まってるから、もしかしてアイドルの話してるんじゃないかとか不安になってしまって。
過度に不安になってるっていうのは正直わかっている。でもこの平穏な学生生活を捨てたくはないのだ。
そしてこの1ヶ月近い日々を観察してわかったことがある。彼って意外と人望が厚いのでは、と。
いつも誰かしらお友達と一緒にいるし、クラスメイトの誰かから何か頼まれごとをされたりもしている。
そしてアイドルオタクには一切見えないのである。
じゃあ何故あの場にいたのかという疑問が残るばかりになるのだが、例えば知らない誰かがチケットを買ったはいいけど体調不良とかで都合が悪くてチケットを貰ったとか、そういう理由でもないとあの場にいた理由が本当にわからない。
1ヶ月もこんなにジロジロ観察して、まるでストーカーのようだ。
そして斉木くんは多分、私のことを口外しようだなんて1mmも思ってないかもしれない。
だって彼、どこからどう見ても根が優しい人でしかないと気付いたから。
─────一方、斉木side
僕が例の劇場公演に参加して、多少の接点が生まれたあの日からミョウジさんからの視線を凄く感じていた。
彼女の脳内ではなにか持論を広げては収束させて、勝手に僕についての解釈をしている。観察熱心にも程があるだろう。
あまりに見られるものだから、1度振り返って目を合わせてみようかとすら思う。それともまた公演を見に行って驚かせてやろうか。でもそれでは僕がオタクと思われてしまうかもしれない。前回ですら疑っていた。
僕はまだ決してオタクなどではない。前回の公演の気になる曲を某動画サイトで検索したりなどもしていない。
この間もずっと1人からの刺さるような視線を感じている。
用があるフリをして振り返ってみる。
目線が合ったミョウジさんはびっくりして目を見開いてから目を逸らした。
その後僕はまた前を向いたが、彼女のテレパシーは非常に慌てふためいていて『うわわわ!こっち向くと思わないじゃん!見てんの気付かれた?!』等と早口が溢れかえっていた。
こういうのもおかしいとわかっているが、あんなに公演で目立っていて更には時々テレビですら見かけるようにもなっている。
これでは彼女が僕以外にアイドル活動がバレるのは時間の問題なのだ。
彼女はいま僕に夢中で気付いてないだろうが、彼女のいるアイドルグループ自体の話はクラスの男たちからチラホラ上がっているのだ。
──────まぁいざとなれば僕は記憶を消してやることもできる。
今はまだ、僕も外野からこの"アイドル"を観察することにしよう。
私のクラスメイトが公演に来てから早1ヶ月が経った。
あれから斉木くんを劇場で見かけることはないけれど、─知り合いに見られるというのは緊張するので─ちょっとお客さんの中にいないか探している自分がいる。でもいなければいないで気になってる私がいるのも事実だ。
そして教室での行動も時々後ろから見ている。席の周りにお友達?がよく集まってるから、もしかしてアイドルの話してるんじゃないかとか不安になってしまって。
過度に不安になってるっていうのは正直わかっている。でもこの平穏な学生生活を捨てたくはないのだ。
そしてこの1ヶ月近い日々を観察してわかったことがある。彼って意外と人望が厚いのでは、と。
いつも誰かしらお友達と一緒にいるし、クラスメイトの誰かから何か頼まれごとをされたりもしている。
そしてアイドルオタクには一切見えないのである。
じゃあ何故あの場にいたのかという疑問が残るばかりになるのだが、例えば知らない誰かがチケットを買ったはいいけど体調不良とかで都合が悪くてチケットを貰ったとか、そういう理由でもないとあの場にいた理由が本当にわからない。
1ヶ月もこんなにジロジロ観察して、まるでストーカーのようだ。
そして斉木くんは多分、私のことを口外しようだなんて1mmも思ってないかもしれない。
だって彼、どこからどう見ても根が優しい人でしかないと気付いたから。
─────一方、斉木side
僕が例の劇場公演に参加して、多少の接点が生まれたあの日からミョウジさんからの視線を凄く感じていた。
彼女の脳内ではなにか持論を広げては収束させて、勝手に僕についての解釈をしている。観察熱心にも程があるだろう。
あまりに見られるものだから、1度振り返って目を合わせてみようかとすら思う。それともまた公演を見に行って驚かせてやろうか。でもそれでは僕がオタクと思われてしまうかもしれない。前回ですら疑っていた。
僕はまだ決してオタクなどではない。前回の公演の気になる曲を某動画サイトで検索したりなどもしていない。
この間もずっと1人からの刺さるような視線を感じている。
用があるフリをして振り返ってみる。
目線が合ったミョウジさんはびっくりして目を見開いてから目を逸らした。
その後僕はまた前を向いたが、彼女のテレパシーは非常に慌てふためいていて『うわわわ!こっち向くと思わないじゃん!見てんの気付かれた?!』等と早口が溢れかえっていた。
こういうのもおかしいとわかっているが、あんなに公演で目立っていて更には時々テレビですら見かけるようにもなっている。
これでは彼女が僕以外にアイドル活動がバレるのは時間の問題なのだ。
彼女はいま僕に夢中で気付いてないだろうが、彼女のいるアイドルグループ自体の話はクラスの男たちからチラホラ上がっているのだ。
──────まぁいざとなれば僕は記憶を消してやることもできる。
今はまだ、僕も外野からこの"アイドル"を観察することにしよう。
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