崩壊する要塞の中で
「レクイエム発射口、破壊されました!」
「損害甚大!撃てません!」
オペレーターの声が響き渡る。
「馬鹿な……何故……」
思わずこぼれ出る、驚嘆。
あり得ない。あり得るわけがない。
負ける?この私が?そんな馬鹿なはず……
「シールド消滅!」
「フリーダム、来ます!」
「その後方にエターナル!」
要塞が壊れていく。私のステージが。
いや、いつから壊れていた?私はどこで間違った?
一体どこで——
『議長はいつもお寂しそうです』
『そうか?そうだろうか。君にはそう見えるのかい?アーヤ』
『はい……なんだかいつも、心ここに在らずというか』
はなから心などなかった。そのはずだった。
心など持たなければ苦しまずに済んだ。そうでありたかった。
『議長は私を好きですか?』
好き?好きとはなんだ。何を以て愛と成す?
『だからもう、あなたとは居られない……!』
いつから愛が消えたのだろうか。
いつから執着に変わったのだろうか。
『人を知り、自分を知り、明日を知る。これこそが繰り返される悲劇を止める唯一の方法です!』
自分を一番知らなかったのは誰だ。
どこから分からなくなった?
『ねえ、ラウは?』
『ラウは……もういないんだ。だが、君もラウだ』
ならば私は。私は誰だ。私は——
『議長……』
『ギルバート!』
『ギル……!』
そうだ私は……私はギルバート・デュランダル。この世界を変える者。この戦争を終わらせる者。
『私は勝ちたいだけだ。戦いたいわけではない』
負けたくない。なんとしてでも。
まだ負けてはいない。私は負けない。
堕ちたくない。堕とさせやしない。
私はまだ……!
「君がここへ来るとは、正直思っていなかったよ、キラ・ヤマト君——」
必ず、勝つ。
「損害甚大!撃てません!」
オペレーターの声が響き渡る。
「馬鹿な……何故……」
思わずこぼれ出る、驚嘆。
あり得ない。あり得るわけがない。
負ける?この私が?そんな馬鹿なはず……
「シールド消滅!」
「フリーダム、来ます!」
「その後方にエターナル!」
要塞が壊れていく。私のステージが。
いや、いつから壊れていた?私はどこで間違った?
一体どこで——
『議長はいつもお寂しそうです』
『そうか?そうだろうか。君にはそう見えるのかい?アーヤ』
『はい……なんだかいつも、心ここに在らずというか』
はなから心などなかった。そのはずだった。
心など持たなければ苦しまずに済んだ。そうでありたかった。
『議長は私を好きですか?』
好き?好きとはなんだ。何を以て愛と成す?
『だからもう、あなたとは居られない……!』
いつから愛が消えたのだろうか。
いつから執着に変わったのだろうか。
『人を知り、自分を知り、明日を知る。これこそが繰り返される悲劇を止める唯一の方法です!』
自分を一番知らなかったのは誰だ。
どこから分からなくなった?
『ねえ、ラウは?』
『ラウは……もういないんだ。だが、君もラウだ』
ならば私は。私は誰だ。私は——
『議長……』
『ギルバート!』
『ギル……!』
そうだ私は……私はギルバート・デュランダル。この世界を変える者。この戦争を終わらせる者。
『私は勝ちたいだけだ。戦いたいわけではない』
負けたくない。なんとしてでも。
まだ負けてはいない。私は負けない。
堕ちたくない。堕とさせやしない。
私はまだ……!
「君がここへ来るとは、正直思っていなかったよ、キラ・ヤマト君——」
必ず、勝つ。
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