男性不信の女子が壁ドンされてみた
「か…壁ドンしてください……!」
私は血の気を引かせながらそう言った。
いや、そう言わざるを得なかった。だって荘園の主が「『ふぁんさーびす』のためだ」とか意味の分からないことを言ってきたんだもん…。しかもこれを引き受けないと追放するとか言われたし…。
というか、言われた側だってすごく困るよね…。
そう思って改めて目の前の人物、曲芸師のモートンさんを見…
「いいよー!」
そう言うや否や、そのまま壁に追いやられる。そしてなぜか壁ではなく、私の両肩にトンと手を置いてきた。
「な…!?」
焦る私とは対照的にニコニコと笑みを浮かべているモートンさん。というかこれでは逃げようにも逃げれない…!
そう思って白目をむきながら血の気を引かせていく私。
「さあ?どんなイタズラしちゃおっかなぁ…?」
そう言うモートンさんはイタズラな笑みを浮かべながら舌なめずりしている。そして肩に置いていたはずの手をスルスルと滑らせて頬を撫でてきた…。
「とりあえずキスでもしちゃう?」
いつものモートンさんからは考えられないような低くて艶を含んだ声でそう言われる…。
ってエエェェェーッ!!?
このあとめっちゃ必死に説明した。
(たまたまサベダーさんが通りかかってくれたおかげで助かった…。)