男性不信の女子がおすそわけしてみた

カールさんの思わぬ行動により、顔が真っ赤になった私の顔からはプスプスと湯気が出てきていた。でも、気にしちゃダメだ!と首をブンブン振って気を取り直し、金平糖を一粒口に放り込んだ。
コロコロと転がす度に広がっていく甘さにまた助けられ、私はどうにか気を取り直すことができた。


「お?何食ってんだ?」


そんな声がしたもんだから振り向いてみると、エリスさんがニカッと笑いながらこちらにやって来ていた。汗かいてるしゲーム後かな…?


「お…、お疲れ様ですエリスさん。どうでしたゲームの結果は…?」

「ん?ああ、なんとか3逃げだな!」

「す、すごい!それはホントにお疲れ様でした!」


そう言うとエリスさんが「いやいや~」なんて言いながら頭を掻いて照れてるから、もしかしてエリスさん大活躍だったのかな?いつもすごいなぁこの人は…。


「あ!もしよければいかがですか?」


そう言って金平糖が入ってる包み紙を差し出すと、エリスさんは「なんだこれ?」と言いながら金平糖を覗き込むように見てた。


「私の母国のお菓子で金平糖っていうお菓子なんです。ゲーム後でしたらちょうどいいかなぁなんて思いまして…。」

「へぇ、星みてぇ。……あ、甘ぇ。」


一言感想を言ってから口に放り込んだエリスさんは、ガリガリと金平糖を噛み砕きながら味の感想を言っている。


「ゲーム後にちょうどいいやこれ。」

「頭も体力も使いますもんね。」


ニカッと笑うエリスさんに相槌を打つようにそう言うと、私も一粒食べようと取り出した。だけど、エリスさんが「いただき!」と言うと同時にぱくりと指が食べられる感覚がした。


「癒されるわこれ。」


そう言いながらガリガリと食べるエリスさんを見て私は顔を一気に赤らめてからゆっくり青ざめさせていった。



「キャアアアァァァァーッ!!!」



大きく開いた右手を勢いよく構える私を見て、エリスさんはヘラヘラと笑いながら「ですよねー」と言っていた。



(この後、左頬を真っ赤に腫れあがらせたエリスさんに「出来心なんだ。悪かった。」と謝罪されました。)
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