悪い女(曲芸師)
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引きずり込んでそのまま【名前】ちゃんをドアにもたれかからせると、【名前】ちゃんの顔の横に手をドンっと突いた。その反動でドアはバタンと勢いよく閉まり、【名前】ちゃんはびくりと肩を振るわせた。そして状況が掴めないのか僕を不安そうな顔で見上げてくる。
「【名前】ちゃんってさぁ…、案外悪い子だよね…。」
ーー…僕の気も知らないでそんなこと言っちゃう…?
そう思いつつ僕は必死に笑顔を浮かべようと無理矢理口角を上げた。でも、【名前】ちゃんの顔から察するにとんでもない顔をしていたのかもしれない…。だって【名前】ちゃんったら目を見開いて固まってるんだもん。
「ご…、ごめんなさい…。」
今にも泣き出しそうな顔で、消え入りそうなか細い声で【名前】ちゃんがそう言う。それを見た僕はズキンと胸が痛んだ。
あーあ…。【名前】ちゃんにこんなところ見せちゃうなんて…。
そう自分に呆れてしまった。そして続いて【名前】ちゃんに嫌われるかな、なんて思った。
だけど【名前】ちゃんは、僕の胸に震えながら両手をそっと当ててきた。そして僕を見上げていた顔を俯かせると、そのままの状態で何か呪文のようなものを唱えてる。
…【名前】ちゃんの母国語、なのかな?何を言ってるかは全く聞き取れない。だけど、震えつつも必死に何かを唱える【名前】ちゃんを見てると苛立ちやら怒りやら負の感情が落ち着いていったような気がした。
「……ごめんなさい…。わ…、私のせいなのに……、…私にできることはこれくらいで……。」
また消え入りそうなか細い声でそう言う。そして再び僕を見上げると、泣き出しそうな顔を無理やり笑顔にした。そのため【名前】ちゃんったらふにゃふにゃの情けない笑顔をしている。
「わ…、私の家に伝わる真言なんです…。気持ちを落ち着かせることはできるかと…。」
……あーあ。【名前】ちゃんのこういうところだよねぇ。いじらしくってかわいらしくって…。
そう思うや否や、僕は【名前】ちゃんをひしっと抱きしめてしまった。それにより【名前】ちゃんは「ひっ!」と短く悲鳴をあげている。だけど僕は気にせず更にむぎゅーっと力を込めて抱きしめた。
「【名前】ちゃん、君ってホント悪い女だよね。」
「はひっ!!?」
不本意だと言わんばかりに驚いた声を出す【名前】ちゃん。自覚がないなんて余計に悪い女だよねホント…。
…だから、仕返しがてらもうちょっとこのままでいちゃおうなんて思った。
「ツェレさんとは確かに大事な話をしてたけど、【名前】ちゃんが思ってるような浮ついた話じゃないから。」
「そそそそうなんですね!ごめんなさい!」
「僕の本命は派手な羽織を着た胡散臭い女の子だよ。」
「そそそそうなんですね!ごめんなさ……はひっ!!?」
「僕は好きな子はいじめたくなっちゃうタイプなんだ。」
「なななななんかよくわかりませんけど、ごごごごごめんなさい!はははは離れてもいいですか!?」
「ダメ。」
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この後部屋にやって来たノートンが僕らを見るなりブチブチと青筋を浮かべ出し、そのまま僕を追いかけ回してきた。…逃げ切ってやったけどね!
作者:そろそろ番外編を作りたいと突発的に書きました。ごめんなさい。作者は月の河公園の事件についてマルガレータ悪女説推してます…。そんな限りなく黒に近いマルガレータ…、好きだ…!
(失礼があれば消します…。)