09:謝罪しまくる系女子
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(※シリアス注意)
「私…、何しに行ったんでしょう…。」
あの後、僕に半ば強引に引きずられるようにして自室のドアの前まで帰って来た【名前】さんは、うなだれるようにドアにもたれかかりながらそう言った。
「…まあ、そう気を落とさなくていいんじゃないですか。」
「謝罪のつもりが罪を重ねてきました……。何なんでしょうか私は……。」
「……とりあえず、皆さん言っていた通り今日はもう寝た方がいいです。あなたは頭を打っているんですから。」
「……そうですよね…。部屋で一晩頭を冷やしてきます…。
カールさん、連れ回してしまってすみませ…ーー」
かなり落ち込んだ様子の【名前】さんは、そう言いながら鍵を開けるとそのままドアを開けようとした。だけどドアが開くと同時に【名前】さんは体をゆらっと傾かせた。
「あ…、れ……?」
そんな【名前】さんの肩を咄嗟に抱き止める。すると顔にわずかな恐怖を滲ませながら小さな声で「ごめんなさ…っ」と言ってきた。普段の【名前】さんであれば、体を触られようものなら断末魔のような叫び声をあげて退魔護符を投げ飛ばしてくる。だというのに、今の【名前】さんにはそれをする気力すらないらしい。
……慣れないお酒に頭を強打、その上に先程まで空回りばかりの気遣いをしながら騒いでいたから余程疲れてしまったのでは? そんなことを考えた僕は彼女の不器用さに小さなため息を吐くと、彼女の体勢を変えて抱きかか、そのまま部屋の中へと入っていった。
「え…?カ、カールさ……」
状況が掴めず戸惑っている【名前】さんに構わず足を進めてベッドの脇までやって来る。そして彼女をそっと降ろすと、今はすっかり生気の宿っているその目をじっと見下ろした。
生気が宿ってるとはいえ、やっぱり何かに縋る様な哀れな目だ。異国の地に足を踏み入れてから彼女は何度人に裏切られ傷つけられんだろう? ただでさえ、不器用で気遣いが空回りしやすい人だろうに。
【名前】さんを見下ろしながらそんなことを考えていたその時、はたと気付いた。そして一人、ああ、だからかと納得もした。僕は【名前】さんのこの哀れな目に救済を求められているような気をしていたのかもしれない…。だから今まで彼女に勝手に余計なお世話をしてしまっていたのかも。
なら、もしあの随分と惚けた顔をしながら虚ろな目をした【名前】さんにまた「壊してくれ」と言われたらどうしよう…?
そんなことを考えてしまったらマスクの下で思わず笑みを浮かべてしまっていた。
「【名前】さん、もし壊れたくなったらいつでも言ってください。」
「…え……?」
「…僕なら、哀れな【名前】さんを助けられるかもしれない。」
【名前】さんには見えないマスクの下でにんまりと笑みを浮かべたままの僕はそう言った。
「私…、何しに行ったんでしょう…。」
あの後、僕に半ば強引に引きずられるようにして自室のドアの前まで帰って来た【名前】さんは、うなだれるようにドアにもたれかかりながらそう言った。
「…まあ、そう気を落とさなくていいんじゃないですか。」
「謝罪のつもりが罪を重ねてきました……。何なんでしょうか私は……。」
「……とりあえず、皆さん言っていた通り今日はもう寝た方がいいです。あなたは頭を打っているんですから。」
「……そうですよね…。部屋で一晩頭を冷やしてきます…。
カールさん、連れ回してしまってすみませ…ーー」
かなり落ち込んだ様子の【名前】さんは、そう言いながら鍵を開けるとそのままドアを開けようとした。だけどドアが開くと同時に【名前】さんは体をゆらっと傾かせた。
「あ…、れ……?」
そんな【名前】さんの肩を咄嗟に抱き止める。すると顔にわずかな恐怖を滲ませながら小さな声で「ごめんなさ…っ」と言ってきた。普段の【名前】さんであれば、体を触られようものなら断末魔のような叫び声をあげて退魔護符を投げ飛ばしてくる。だというのに、今の【名前】さんにはそれをする気力すらないらしい。
……慣れないお酒に頭を強打、その上に先程まで空回りばかりの気遣いをしながら騒いでいたから余程疲れてしまったのでは? そんなことを考えた僕は彼女の不器用さに小さなため息を吐くと、彼女の体勢を変えて抱きかか、そのまま部屋の中へと入っていった。
「え…?カ、カールさ……」
状況が掴めず戸惑っている【名前】さんに構わず足を進めてベッドの脇までやって来る。そして彼女をそっと降ろすと、今はすっかり生気の宿っているその目をじっと見下ろした。
生気が宿ってるとはいえ、やっぱり何かに縋る様な哀れな目だ。異国の地に足を踏み入れてから彼女は何度人に裏切られ傷つけられんだろう? ただでさえ、不器用で気遣いが空回りしやすい人だろうに。
【名前】さんを見下ろしながらそんなことを考えていたその時、はたと気付いた。そして一人、ああ、だからかと納得もした。僕は【名前】さんのこの哀れな目に救済を求められているような気をしていたのかもしれない…。だから今まで彼女に勝手に余計なお世話をしてしまっていたのかも。
なら、もしあの随分と惚けた顔をしながら虚ろな目をした【名前】さんにまた「壊してくれ」と言われたらどうしよう…?
そんなことを考えてしまったらマスクの下で思わず笑みを浮かべてしまっていた。
「【名前】さん、もし壊れたくなったらいつでも言ってください。」
「…え……?」
「…僕なら、哀れな【名前】さんを助けられるかもしれない。」
【名前】さんには見えないマスクの下でにんまりと笑みを浮かべたままの僕はそう言った。
【納棺師は気付いた】